塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

消えてしまいたい

「消えてしまいたい」

これは、私が大学受験に失敗して思っていたこと。

不合格の生徒たちは、もしかしたらこの時の自分のように

「消えてしまいたい」

と思っていないだろうか。

こんな思いをさせてしまっているとしたら、その子に何と言ったらいいのだろうか。

 

この年になって、30年生きたからこそ、大学が希望の所ではないからと言って

どうなるものでもないなと思えるのであって、

当時の自分には、それが全てで、失敗したら何もなくて・・・

とにかく何も考えたくないし、誰にも会いたくないしという状態だった。

 

その状態で行った大学は当然、面白くないし、面倒だし、何も楽しもうとしないし、何も積極的にしない4年をただ過ごして、単位だけ取って、卒業式にも行かなかった。

 

今になって言えるのは、そうやって、プライドばっかりで、現実を受け入れず、気持ちを切り替えず、その状態から変わろうとしなかった自分が未熟で、だからこそ、失敗したのだということ

 

タイムマシンがあって、もしあの時に戻れたら、大学に行くことすら反対しただろうな。

「何をしたいの?」

この問いに答えられる大学生はどのぐらいいるかな?

それを見つけるために大学に行くという人もいるかもしれないが、そんなのスケールちっさすぎ!19歳や20歳の1年と、30歳、40歳の1年は重みが違うから、とりあえず大学に行くというのはできたらしない方がいい。

と言っても、社会全体が「とりあえず大学」という状態だから無理だよね。

人と違う行動をすると、それだけリスクは大きくなるし。

私も、そんな思い切った行動がとれない人間の一人だ。

 

できることなら、社会人になって、色々と困って、それから本気で勉強するために大学に行った方が人生は有意義な気がする。そんな気持ちになったもの、今の仕事があったから。

知り合いの高校3年生が、大学行こうか、プロのバレエに進むか悩んでいると話してくれた時、

「大学なんて、何歳でも行けるし、バレエに進めば?むしろ、大学なんて必要性を感じたときに行った方がいいと思うよ。」

と言ってみたら、後日会った時、バレエに進むと決めたようだ。

もちろん、私が言ったからではなく、本人の中で8割は決まっていたのだろうが、その決断をした彼女は本当にすごいし、かっこいいなと思う。

みんながこんな子になってほしいと思ってしまう。

 

ちょっと話が反れたかな。

戻そう!

 

とにかく、不合格になった子も、その親(特にお母さん)も、私が言うことではないが、後悔してもどうしようもないし、気持ちを切り替えないと、これからの6年が本当に無駄になってしまうから、早く気持ちを切り替えてほしい。

受験に絶対はない。

可能性を極限まであげる努力が足りたか、足りなかったか。あとは

結果が出なければ、受験生活の全てが無駄に思えるかもしれないが、それを本当に無駄にするかどうかは、ここからの生活にかかっている

私のように、いつまでもズルズル引きずって、不貞腐れた生活から抜け出せずにいたら、本当に全てが無駄になってしまう。

せっかくの中学・高校という大事な時期を変な劣等感とプライドで台無しにしてほしくない。それこそ、人間性、人生が学校で決まってしまいます。

そうじゃないでしょう?

 

最終的には、自分自身がどう過ごすか、何をするかが大切なんだから、気持ちを切り替えてほしい。

そして、それをまずしないといけないのは、お母さんたちだ

子どもというのは、母親の影響をモロに受ける。

お母さんがいつまでも落ち込んでいると、子供はお母さんへの申し訳なさから、自分を責める。

苦しさをぐっとこらえて、お母さんがまずは笑顔になって

合格した学校で前向きに頑張れるように、子供を元気づけてほしい。

 

数年前の生徒で、第1志望に不合格になって、第2志望の学校に行っている子がいるが、第1志望に落ちたことをお母さんが引きずって、子供に励まされるという家庭があった。

その子は入学当初は第2志望ということもあり、余裕だったが、1年もたたずに後れを取り始めた。学校が楽しくないらしい。これではいけない!

逆に、不合格を受け止め、それをバネに第2志望の学校で、パンフレットに載ったり、説明会で壇上で立つほどに生き生きと学校生活を送っている子も知っている。

結局、現状をどう過ごすか、自分がどうなりたいか、どうしたいかが一番大切なのだ。

今回、残念な結果に終わったことを、それはそれとして受け止め、乗り越えていってほしいと思う。

 

心に余裕ができたら、

今の結果をプラスにとらえられるようになるはず。

「これでよかったんだ」

「(神がいるなら)、神様がこっちだよって言ってたんだ~♪」

って思う日がきっと来るはず!

 

私も、久しぶりの不合格をずいぶん引きずって、ここ5日ほど夫婦喧嘩の毎日だ。

喧嘩と言っても、どう改善するべきなのかという議論から熱が入ってヒートアップするという毎度のことだから、ガチの喧嘩ではないが、子供たちの精神状態にはよくないだろうな・・・・。

 

あと少し、心の整理の時間をもらって、来週火曜日からは吹っ切って、次に進もう!

 

私の仕事は、二度と同じ後悔をしないように、1人でも悲しませないようにすることだ!

 

合格した子も、残念だった子にも、最後に一言!

素敵な時間をありがとうございました。

これからもずっとずっと応援しています。

 

 

 

進学塾的ゆく年くる年

まずは受験生の皆さん、受験お疲れさまでした。

すでにほとんどの学校では入試結果の発表が終わっています。

十分な成果を上げられた人も、残念ながらそうでなかった人もいるでしょう。明暗分けるための仕組み、それが受験です。

 

合格した皆さんは油断しないでください。小学校と違い、合格した人全員が学力的に拮抗しています。少しサボるとあっという間に置いていかれますから、学習習慣を絶やさないようにしましょう。

 

残念ながら不合格だった皆さん。勝負には負けた形となりましたが、この経験は今後に活かされることでしょう。負けに不思議の負けは無し。受験生活を振り返って改善点が見つかったとき、それを直そうと思うのであれば、それが成長です。

 

いずれにしても、これから先のことはある程度決定されたかと思います。

色々と考える時期であることは承知しておりますが、ひとまず受験のことは置いておき、卒業まで残り短い小学校生活を存分に楽しみましょう!

 

 

さて、今年度の中学受験が一区切りつきまして、振り返る間もそこそこ多くの塾ではこの時期受験生の入れ替え期間となります。

弊塾につきましても、先週から新5・6年生のレギュラー授業が開始となりました。

 

これまで5年生の授業を受けていたメンバーに、新たな入塾者を加え、新6学年がスタート

授業の方針が変わり、宿題の量も増加しましたが、5年生からこの塾で勉強してきた生徒は既に鍛えられてますから、きっと大丈夫でしょう。

新入塾生も、同学年のガッツを見て、是非ともそれについていってほしいものです。

 

この1年が今後の人生を左右する1年となるのは確実です。「決定」ではなく、「左右」です。

入試は結果が重要で、他の受験生に1点でも劣っていれば不合格というダイレクトに厳しい勝負の世界ですが、それによって良い部分はたくさんあります。

例えば、ある程度長い時間1つの物事に集中できる気力や、勝負事に際して怯まない胆力

これらを育むのに適した方法の一つが受験勉強です。中学受験の期間にこれらの力が育ったならば、その後の学生生活や、その先の社会人生活においても大きなアドバンテージとなるでしょう。

生き抜く力を大事にするのが弊塾の方針ですから、これから1年をかけて、学力だけでなく、人として必要不可欠な力をじっくりと伸ばしていきましょう。

 

 

さらに、新5学年も同時にスタート

こちらの学年には、お姉さんが塾OGで、姉妹そろって入塾してくれた人も

姉の偉大さを知らしめてあげる、と田川先生が言っていたとかいないとか・・・。

姉妹でどんな点が同じで、どんな点が違うのか、今から楽しみであります。

 

算数については、5年生は基本的な計算からカリキュラムが始まります。

ですから、これが初めての塾通いという人でも安心して授業に参加できますし、他塾から移籍してきた人もこの塾の授業形式に慣れるという意味でウォーミングアップになるのでは、と思います。

 

 

こんな感じで新たな1年が始まりました。

我々教員もフレッシュな気持ちで新学年の受験生を迎えようと思いますので、今年もよろしくお願いいたします。

勝負はいつもここから

今年の入試も終わった。

結果として、全員が第一志望合格、とはならなかった。

塾講師としては、自らの力のなさをまざまざと痛感させられるときである。

 

反面、大逆転の奇跡が今年も起きた。

There is a will , There is a way である。

 

手前どもに至らぬ点、力不足な点が多々あることを承知しながら、

敢えて、書いてみたい。

 

奇跡の起こし方

ここ数年、本番での大逆転が弊社では起きている。

今年は、前日まで、合格最低ラインから1教科20点ほど離れていた生徒が、

逆転で合格した。

昨年は、正月特訓の算数で2点だった生徒が、大逆転した。

一昨年も、6年生の途中から4教科を始めた生徒が、

逆転で第一志望を勝ち取った。

この生徒たちに共通している点は、「強い意志」である。

どんな点差であろうと、1日目に不合格であろうと、

合格を信じて取り組むことができる「強い意志」である。

 

「強い意志」のある生徒は、日頃の取組から集中力がある。

 方法論を超越した、何かがあるのであろう。

本番の問題用紙に無数に書かれた途中式を見ると、

「受験の神様」がいると思わざるを得なくなる。

 

ヤル気スイッチ

表題の件について。

私は幻想であると思っている。

ヤル気スイッチなどない。

確かに、スイッチが入ったようにやるようになる子もいる。

ただ、大多数は、

「ヤル気」に依存しないように、自己をいかに管理し、導くか

が重要である。

「ヤル気」に依存すると、

やりたいことしかやらない。

これは、ある意味で正しいのかもしれない。

人生においては、得意なこと、やれることに集中する方が、

実り多き人生を送れるような気もする。

ただし、勉強においては、絶対的に正解ではない。

どうしても、この世界は、満遍なく取り組むことができるオールマイティーさ”を重要視しているのである。

 

ここからだよ。

とはいえ、結果は結果である。

基本的には、6年間通う学校が決まるわけである。

ただ、安心&心配してほしい。

6年間進む学校によって人生が決定することはない。

合格・不合格という結果は刹那的には重要であり、

受験産業に生きる我々にとっては重要である。

しかし、未来を生きる君たちには、正直、些末なものに過ぎない。

 

過去という「事実」、客観的事実は変わらない。

しかし、それについての「意味」は変わりうる。

事実にどのような色を付けるかは、いつも自分次第だ。

 

必然と運命と、はたまた運と云う偶然の狭間で生きる中で、

自分らしい道が開けることを願って、

今日のブログを終わりとしたい。

 

 

 

いざ中学受験!

本日、中学入試の1日目が開始されましたね。

 

受験生の皆さんは、ひとまず初日の試験、お疲れ様でした。

結果が発表されるまでは気が気でないと思いますが、とりあえず温かい物でも飲んで、心を落ち着かせておきましょう。

 

 

毎年受験の時期はとても寒く、朝早くから試験会場に向かうところからすでに大変ですね。

我々教員も各校の前で、皆さんの勇姿をしっかりと見届けさせていただきました。

 

生徒たちにかかるプレッシャーは想像で語ることしかできないのですが、若干12歳にして人生を左右する舞台に上がる心労は生半可なものではないことと思います。

(私自身は中学受験を経験していないもので・・・)

でも当然ながら、こういった場数は小さい頃から何度も踏んでいる方が、将来的には圧倒的に強くなるというのがわかりますね。

「可愛い子には旅をさせよ」、の精神で見守っておりました。

 

 

弊塾の生徒も、他塾の生徒さんも、今日会場入りした全員が、今日のため念入りに準備をしてきたはずです。

その期間に多少の長短はあるでしょうけど、受験というのはあくまで今日の知力が勝っている人が合格するというシステム。準備期間が短くとも点数で優位なら合格し、いくら長期間にわたって勉強をしてきたとしても点数が劣勢なら不合格です。

 

それは残酷なことではありますが、受験という制度に求められている部分でもあります。皆さんも受験がそういうシステムであると承知の上で、受験界に参戦されたはずだと思います。

 

 

結果発表はもうすぐ。

 

1人でも多くの生徒が桜を咲かせてくれることを祈っております。

 

 

そして、もし仮に合格が翌日へ持ち越しになったとしても、今日は今日、明日は明日と割り切ることが大事です。

「何とかなるよ」なんて軽いことは言いませんが、これまで自分が積み重ねた力を信じ、明日も自己最高のポテンシャルを発揮してきましょう。

DG的、「いたしません」

1月も30日を迎え、いよいよ入試本番まであと1日である。

何の暗示か、東京は雪の予報である。

弊社でも、恙なく最終授業を終え、

入試前日の自習室解放を待つのみである。

ちなみに、すでに新学年、しかも5年生男子のコースが本日から始まっており、

あらゆる流れがうねりを見せている。

さて、様々な塾で、最終授業では出陣式、

入試当日は入試応援が行われる。

そこで、「DG的『いたしません』」という形で、弊社のちょっとだけ変わった様子をご紹介したい。

 

鉢巻、いたしません

出陣式と言えば、しかも中学受験の出陣式と言えば、

通常このような光景が目に浮かぶに違いない。

http://www.asahicom.jp/edu/center-exam/images/SEB201301150041.jpg

 

しかし、弊社では、金髪こそいれど鉢巻は一人もいない

私自身は、リトルリーグや高校野球も経験した体育会系の世界に身を投じてきたが、

この手の同調圧力は苦手である。

説明が難しい。

ノリは大事である。乗れるときに乗れる人の強さ、乗れない人の弱さは分かる気がする。

ただ、鉢巻は進まないのである。

なぜだろう。

明らかに体育会系とはかけ離れた人間の必死さが痛々しいのであろうか。

とにもかくにも、弊社では鉢巻は「いたしません」

f:id:dg-daiyo:20180130220048j:plain

 

シュプレヒコール、いたしません

「絶対合格するぞ~!」「お~!」

こういう時に大声を出せる人の面白さも、

声すら出せない人のつまらなさもわかる。

しかし、しかしである。

あの手のシュプレヒコールは苦手なのである。

これも私自身説明がつかない。

なぜなら、場面によっては体育会系の「コール」に、

心地よさを感じることもあるからである。

どうも“宗教的な”雰囲気があまり得意でないような気もしている。

いずれにせよ、言葉にならないのであるから、本質的に苦手なのかもしれない。

ということで、“中学受験的”シュプレヒコールはいたしません

 

受験応援で握手、致しません

中学受験の校門前と言えば、

「大丈夫、今までやってきたことを信じてやれば大丈夫だからね。」

とかなんとか言って、校門前で握手をする光景が通常である。

ところが、弊社ではこのようなことはまず行われない。

入試応援には、行く。

ただ、試験を受けるのは生徒だ。

大丈夫かどうかは、当たり前だがやってみるまで分かりようがない。

そんななかで、十二歳の少女が一人で立ち向かうのである。

そのような状況を前に、私は軽々に「大丈夫」とは言えない。

もちろん、この「大丈夫」の一言に救われる受験生もいるだろう。

しかし、私には言えない。言うこともない。

その弱さをかみしめながら、また、来年に挑むのである。

私たちは、受験会場で握手、致しません。

 

保護者の涙、ございません。

出陣式を前に、自分の子供の成長を感じ、涙する。

何と素晴らしい光景か。

しかし、このような光景は、DGには存在しない。

かつて、保護者様に上記のような機会を作るべきと、

ありがたいお言葉を賜ったことがある。

だた、それは弊社には無理な話である。

私たちは、生徒を「子ども」としては扱わない。

あくまで、「一人の人間」として考えている。

所謂、“母性的愛”には、そこには感じられないのかもしれない。

ただ、私たちが感じているのは、「一人の人間としてどのように行動するか」ということである。

儀礼的な設定がなくとも、その瞬間的なものでなくとも、

感謝の気持ちを周囲が感じ取るような、

そんな日常の生活を心がけてほしい。

 

終わりに

毎年、最後の言葉として送っている言葉を記して、今日のブログの最後としたい。

 

ここ数年、六年生の最後には、決まって同じことをお伝えするようにしています。本年もあえてそうしようかなと思う次第です。
 
学習塾ですから、皆さんに合格ラインを超える学力を授けることを目的とすることはもちろんですが、そのほかにも、僕は「楽しむ」ということを皆さんに感じてほしいと日々考えていました。
「楽しむと言ったって、嫌なことも辛いこともいっぱいあるよぉ」と思うかもしれません。
なるほど、確かにいつも笑顔でいることは容易ではありませんね。
しかし、「つらいこと」とは何でしょうか。
それは、あなた自身が「つらい」と感じることなのです。
『14歳からの哲学』という書籍の一節にこんな文章があります。
観念が状況を作るのであってその逆ではない。」
思いや考えが状況を作り出すのであって、状況や環境によってその思いや考えになるのではない」と。
 
少し難しかったでしょうか?
具体的にいえば、あなたが「つらい」、「忙しい」と感じれば、
あなたのいる状況はつらく忙しい状況になります。
自分のできることがたくさんある。チャンスがたくさんある」と考えれば、
あなたの置かれた状況はこれ以上ない恵まれたチャンスになるでしょう。
逆もしかりです。あなたの周りにどんなに美しい花が咲いていようと、
あなたがそれに気づき「美しい」と感じなければ、その花はなかったことになります。
やはり、大切なのはあなた自身の考え方、思いなのです。
 
「そうはいってもつらいものはつらいし、忙しいものは忙しいんだよ。前向きに考えるなんて私には無理だ。」と思った人もいるかもしれません。
確かに最初からすべてを前向きになんて難しいでしょう。
また、もしかすると、前向きに考えることだけがいいことではないかもしれませんね。
口頭試問に正解がたくさんあるように、みなさんのこれから直面する問題にはたくさんの正解があることでしょう。
しかし、もっとも大切なことは、自分の考え方で状況や環境が決まるということを知っているということです。
「自分の考え方が状況・環境を決める」このことをしっかりと意識することができれば、どんな時でもあなたらしい考え方ができるようになるはずです。
あなたらしい考え方ができれば、きっとあなたには「楽しい」未来が待っていることでしょう。
みなさんの未来に幸多からんことを心より願っています。

そして、最後に、大人は楽しいですよ。