塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

標識再捕獲法をScratchで・・・(今週の口頭試問)

まだ見ぬドゥルシネーア姫とその他大勢へ捧ぐ

 

先週の口頭試問の授業で扱った内容の一つ「標識再捕獲法」について、ちょいと詳しく説明することにした。そう、記念すべき復帰一回目にネタがないのだ!

 

(復習)そもそも「標識再捕獲法」とは・・・
個体群を構成する個体数を推定する為の方法(要はたくさんあるモノを一個一個丁寧に数えなくても大体の数字を予測してくれるステッキな方法)

 

何を言ってるか分からない?そうカッカしなさんな。
まずは下の画像にネコが何匹いるか数えて頭を冷やそう、な?

 f:id:dg-daiyo:20171027221724p:plain※全部猫です

そうだね、300匹だね。数えるのに何秒かかったかな?(参考記録:運営部長12秒)
今回は猫ちゃんは止まったままだからさぞ数えやすかったことだろう。
しかし、もしこいつらが本物の猫のごとく部屋中を走り回っていたらいったい誰が数えることができようか(いや、できない。一人を除いて)

 

でな、昔の頭のいい人は僕ら凡人どものために考えてくれたんさ。一匹一匹丹精込めて数えることなく、ある程度の数を推測することはできないか。100%正確じゃあなくてもいい、それっぽい数をあ!という間に推定することはできないか、と。しかも、小学校5年生程度の脳みそでも理解できるような方法はないものか、と。

そこで考え出された方法がこれ!「標識再捕獲法」ってやつなのさ。準備授業をやりながら愕然としたね。あと20年早くこの方法を知っていれば、今頃僕は(略)
 

この方法、まっとうな義務教育を受けたはずの小学6年生であれば誰でも理解できる内容だったりする。手順は以下の通り(準備授業では口頭のみの説明だったが、頑張って絵にしてみた)

 

【問】箱の中の猫を数えよう。(猫の数はNとする。これを調べたい)

   f:id:dg-daiyo:20171027223437j:plain

 

【1】箱の中のネコを適当に何匹か捕まえて色を塗る(その数をMとする)

   f:id:dg-daiyo:20171027223528j:plain

 

【2】しばらく放置する(ネコは動き回って他のネコと混ざる)

   f:id:dg-daiyo:20171027223442j:plain

 

【3】適当に何匹か捕まえる(その数をCとする)
   その中に、色付きのネコが何匹いるか数える(その数をRとする)

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【4】予想されるネコの数(N)はN:M=C:Rで求められる

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ファー!コイツは傑作だ!!まともな学校やまっとうな塾であればとっくの昔に教えているであろう比の基本ができれば誰だって猫ちゃんの数が推定できちまうわけさ!意味が分からない?いいんだよ、でもうちの塾生だって名乗るの禁止な!分かるまで一緒に勉強しよう!

 

ほんとにこんな簡単な方法で推定できるのかしら?疑っていらっしゃるあなたのためにせっせとプログラムを作ったのでご覧にいれよう!※PCのみ利用可能です。

scratch.mit.edu

使い方

1.緑の旗マークをクリック

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2.適当な数字を入れる(色を付ける猫の数)50くらいだとうまくいくかな。

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3.放置して

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4.STOP!!

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試してみるとわかりますが、あんまりうまくいきません。Scratchの限界、数が小さい、猫の動き、分布の密度に差がでるなどいろんな要因が考えられます。(ちなみに、授業ではExcelを用いて100万件のパターンで試しましたが、5%の誤差でうまくいきました。スクラッチでは限界があります。)

 

じゃあまた来週!あでぃおす!!

※別に毎週そんなクソまじめな紹介をするつもりは毛頭ないです。今回は頑張ってしまった。