塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

学力とは楽力である。

早速授業で導入してみた

先週の記事で紹介した「ワンス・アポン・ア・タイム」を、

早速授業で実施してみた。

善は急げである。

というと聞こえはいいが、

思いついたことは、すぐにやらねば気が済まないタチなのである。

 

効果のほどは…

今回のルールとしては、

1 最初の手札は単語カード5枚、結論カード1枚

2 割り込み自由、結論カードの変更不可

3 単語カードの補充自由

4 あまりに脈絡がないと判断された場合には、ペナルティーとして単語カード1枚追加

 

という、正式なルールを簡略化したもので実施した。

 

ちなみにこれが「単語カード」

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こちらが「結論カード」

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この場合には、なんとか、

「そして正しい統治者が再び玉座に尽きました」

となるように話を進めていく必要がある。

 

一見簡単そうに見えるのだが、なかなか思うようにいかない。

やたらに、魔法使いが人を殺めたり、

超イケメンだったはずの王子様が突然クズ野郎に変貌を遂げたりと

物語はめまぐるしく展開されていく

自分の思い通りの展開にならないことはもちろんであるが、

ある程度の語彙力想像力連想力がなければ先には進まない。

 

全体を3グループに分けて実施したが、

私のグループは2回ゲームが終了したが、

塾長と桜井のグループは1回もゲームが終了しなかった。

教員は進行役を務めただけだが、纏うオーラの違いなのか、

結果には差が出た(チームは国語のテストをウェーバー順に並べているため、学力には偏りがない)

 

ただ、全体的にとても楽しく進行することができた。

いつになく、全員の脳がフル回転していたに違いない。

いつになくでは困るのだが(笑)

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で、「何になるの?」

もちろん、これをやったからと言って、突然作文の能力が向上していくわけではない。

そのことは、前回述べたとおりだ。

ただ、やっていただくとわかるのだが、

思いのほか難しい。そして、楽しい。

 

ゲームというのは難しいもので、一人でも、

「おもしろくない」といったような、

天邪鬼気質を発揮されると、途端にゲームの進行が難しくなり、

楽しさは半減する。

教材として使う際は、ここが一番難しいところだ。

その意味では、「社会性」が涵養されていくともいえるだろう。

 

また、「考える」「連想する」という作業が、

習慣化されるのも、このゲームの強みではないだろうか。

「ゴールから考えなさい」、「目的から考えなさい」と大人は口にするが、

子供たちに、正確に伝えることは思いのほか難しい。

しかし、このゲームは「結末カード」を出さなければいけないため、

否が応でも「結論から考える」ことになるのである。

 

知好楽

そして、これらを支えているのは、間違いなく「楽しさ」だ。

「楽しさ」の種類はいろいろある。

個人によっても異なるし、年齢や性別によっても異なる。

どの「楽しさ」でもよいが、「楽しさ」のないものは反復が難しく、

定着が悪い。

「楽しい」と感じる仕掛けが、奏功しているのなら、

これを使わない手はない。

一つのやり方が直線的に学力を向上させるというよりは、

様々に蒔いた種が、楽しさを媒介して相互に結びつきながら、

学力を向上させていくのだ。

 

妻は研究者!?

ちなみに、昨日夫婦で「ナンバーナイン」というゲームをした後の一幕。

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結果は、私の2戦2勝☆

その後、一人で配置について考える妻。

こういうのが「勉強」なんでしょうね(笑)