塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

今週のくらべろ~

今月は判定テスト

ボードゲームを素材として授業に取り入れ始めてもうすぐ3か月が経とうとしている。

今月末には、判定テストが実施されるため、一つの結果が出る。

新しいことを始める場合、もちろん、「こっちの方がよい」と判断して始めるのだが、

「よい」というのがまた、何とも難しいところで、

結局は、「点数」という数字によって判断せざるを得ない。

数字に表れない部分にも、大切な部分があることは言うまでもないが、

「合否」という、これ以上ない明確な判定を受ける生徒たちを預かっている以上、

「数字ではない」ばかりも言っていられない。

担当者としては、少しずつ、手ごたえとまではいえない、地殻変動の蠢きに似たものを感じ取って入るのだが、果たして、どうなることやら。

 

ボードゲーム感想戦 

さて、授業に際して、説明書読みに力を入れているのは先週までのブログでも書いたとおりだ。

同じくらい、力を入れているものがある。それは、感想戦である。

うまくいった人と何が違ったのか、うまくやるには、何が必要だったのか、

こうした点をきちんと振り返ること。

そして、その積み重ねによって、「その視点」なり、「その感覚」なりが自分の中でフォーマットへと昇華してくれることを願っている。

 

今回のゲームは「それは、俺の魚だ!」であった。

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これは、比較的運要素も小さく、実力差がつきやすい。

その意味では、感想戦」に優れた教材であったといえよう。

私も入り4人でやってみたところ、

手番が私の前後の二人が露骨に私に挑戦してきた(笑)

売られたケンカは買うしかない、ということで、

この二人を完膚なきまでに打ちのめし、

私の圧勝

 

 

 

 

のはずだった。

しかし、二人に気を取られるあまり、残りの一人はかなり自由にやらせてしまった。

結果、ケンカを売ってきた二人にはダブルスコアで勝ったものの、

2点差の2位に甘んじてしまった。

こういう詰めの甘いところは、今までの人生が如実に物語っている。

さて、それはそうと、一人ひとりのまずかった点や、

なぜ、私がダブルスコアで行けたかを考える。

基本的に最初から解答を与えることはしない。

「どうすればよかったか」以前の「どこが問題だったか」から考えさせるスタイルである。

最終的には、以下の二つの作戦で塾長に挑むことになる。

・3つの魚は優先的に抑えに行く。

・相手の行動を可能な限り予測して、自分の島を作る。

結果、生徒一人が圧勝

感想戦がうまくいった瞬間である。

 

「くらべる」は悪か

感想戦を通じて、もうひとつ考えていることがある。

それは、「人と比べることを厭わない」ということである。

「比べる」を自然にやれるようになるという言い方が正しいかもしれない。

「人と比べる必要はない」というのが、教育界ではよく言われている。

しかし、私は、この見解には懐疑的だ。

「人と比べる」ことで、見えてくることの方が多い。

「比べるポイント」を必要以上に、人格的評価に結びつけず、

単純に「うまくいっている人とどこか違うか」を考えればよいだけだ。

また、「比べること」によって、自分の得意、不得意も見えてくる。

 

DG教員の感想戦

ということで、私たちDG教員も必ず感想戦をするようにしている。

が、全員でその情報をシェアしてしまうため、

結果として、感想戦が生かされることは多くない(泣)

それでも、感想戦をするのは、やはり、ボードゲームが楽しいからだ。