塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

入り口が語るもの

入試制度にについて話します。

たまには塾講師のようなブログも書かなくてはということで、

今日は「入試」についての話である。

2019年度も、少なくない学校が入試日を増設したり、

新たな受験制度を創設するなどしている。

ここでは、個別具体的な学校名に関しては、敢えて上げることはしないが、

今年の女子中入試も大荒れの様相を呈している。

最近のトレンドは「適性検査型」「算数入試」である。

「適性検査型」は、言うまでもなく、公立中高一貫校を念頭に置いたものであり、

算数入試は、近年の「プログラミング」等の流れを意識したものであるといえよう。

 

ビジョンと看板

各校、あらゆる知恵を出し合って試験制度を決定し、趣向を凝らした問題を作問している点については、改めて敬意を示したい。

しかし、私は入試制度に変更があった学校に問うてみたいことがある。

それは、

「5年後の入試制度はどうなっていますか」

「10年後の入試制度はどうなっていますか」

という点である。

もちろん、先のことなど、誰もわかりはしない。

だからと言って、5年後、10年後のビジョンが明確でないというのはいかがなものであろう。

確実に言えることは、「二匹目のドジョウはいない」ということ。

他校でうまくいった事例を、自校に持ってきたところで、そううまくいくものではない。

2年ほどは、御祝儀相場が成立するかもしれないが、その間に更なる改革をしなければ、なし崩し的な出願者の現象に悩まされていくことは明らかである。

大切になってくるのは、

「自分たちの理想の入試制度」という明確なビジョンを持ち、それを共有すること。

そして、そこから演繹的に紡ぎ出された入試改革であること。

同じような変更に見えたとしても、

ビジョンがあるのとないのとでは、その後の成果に関しては、雲泥の差となっていくはずだ。

 

「入試」のジレンマ

「選抜」というスクリーニング機能を正常に機能させることと、自校の「アドミッションポリシー」を前面に出すことが、有機的に機能することが理想的であることは言うまでもない。

問題は、これらが相反するような局面である。

これは、出願者が減少しているフェーズでは、往々にして起こりうることである。

すなわち、「本当はこの問題を出したいが、現状の受験生がきちんとアジャストできるのか」というジレンマである。

こうしたジレンマが発生している場合には、各学校の「覚悟」が問われる

このフェーズでの決断を誤れば、出願者減に拍車がかかるのは時間の問題だ。

「貫くのか」、「現状を受け入れるのか」、

いずれにせよ、きちんとしたポジションを取ることが大切だ。

ご都合主義な中途半端さは何も生まない。

 

末廣は入試戦略コンサルタントです。

若干抽象的な内容となってしまった。

ただ、最も言いたかったことは、

「出願者に悩む学校関係者の皆様、いつでもご相談ください。」

ということだ。

弊社の入り口は、広く誰にでもやさしい。

耳を傾ける者にとっては。