先々週、『ハコサクライ』についての感想などを一通り書き終えたら、BBQに関して書けるものが無くなってしまいました。
裏側ナンバリングに関係ない記事が混ざるのも無粋かなぁと思い、先週は記事をお休みしました。
今週からまたよろしくお願いします。
もうすぐ夏休み。夏休みと言えば夏期講習ですね。
個人的な話になりますが、夏期講習と聞いて思い出すのがアリ。
2年前の夏期講習、アリ飼育セットを購入し、近所でアリを捕まえて見ていたのを思い出します。
容器の中にゼリー状の物体を流し込み、固まったらアリを入れます。
このゼリー、エサにもなる物質でできているため、エサやりは一切不要。アリを入れたら見ているだけで大丈夫です。
毎日毎日巣穴を掘り進めるアリを見ているのは意外と楽しく、生徒にも好評でした。
1日ごとに深くなっていく巣穴を確認するのが日課となっていましたね。
そんなアリについて、今週新しい知識を得たので紹介します。
働きアリは、全員が働いているように見えて、実は一部のアリは働かずに遊んだり休んだりしているそうです。
割合で表すと、積極的によく働くアリが2割、まずまず働くアリが6割、ほとんど働かないアリが2割。
これらのアリに関して、こんな実験結果があります。
巣の中からよく働く2割のアリだけを集めて新しい巣に入れると、全員がよく働くかと思いきや、その集団の中でよく働くアリは2割だけになり、さらに、集団内の2割のアリはほとんど働かなくなるそうです。
逆に、巣の中のほとんど働かないアリだけを集めると、その中の2割は良く働くようになります。
どのようにアリを組み合わせても、2割はよく働き、2割はサボります。
アリは、個々に『反応閾(いき)値』、わかりやすく言うと『腰の重さ』がそれぞれにありまして、集団の中で腰の軽いアリから順に働き始めるそうです。そのため、閾値の低い(働きやすい)アリを集めても、高い(働きにくい)アリを集めても、その集団の中で閾値をくらべるため、いつも一定の割合でアリが活動するそうです。
つまり、全体の中で必ず2割のお休み集団ができることになります。
この性質は、一見非効率なように見えて、実はアリの巣の存続のためには必要な性質なのです。
アリも動物である以上、休息が必要となります。閾値の低いアリは、いつも率先して働きますが、しばらく働くと休みます。するとそれまでそのアリがやっていた仕事はストップすることになりますが、次に動き始めるのは、それまで動いていなかった閾値のアリなのです。
このような実験があります。
アリの行動を分析し、コンピュータ内に架空のアリと巣をいくつかつくります。これを2つのグループに分け、片方のグループのアリには閾値を設定して休息アリが一定数存在するようにし、もう一方には閾値を設定せずすべてのアリが同時に働くようにします。
すると、巣が長持ちしやすいのは、休息アリがいる方だったのです。
アリの巣には、常に続けていないといけない仕事(巣の警備、卵の管理など)があります。
閾値の無いアリたちはいっせいに働き出しますが、休息を取り始めるのもほぼ同時となってしまい、その結果外敵に攻め込まれたり卵がふ化せず死んでしまったりしたそうです。一時的には効率的な動きを見せますが、しばらく後には巣が立ち行かなくなったのです。
一方で閾値のあるアリたちは、常に誰かが待機状態になっており、仕事が滞ることが無かったそうです。
本人たちが考えて役割分担をしているかどうかは不明ですが、アリのお休み集団は結果として巣の存続に大いに貢献していることになります。
私は、「アリの2割が休んでいる」ということは知っていたのですが、それには特に深い意味もなく、単純にサボっているだけなのだと思っていました。
ですが、「2割のアリは控え選手で、巣の中の仕事が滞らないように順番待ちしている」ことを知り、ちゃんとアリ社会に貢献しているんだなぁと目から鱗が落ちる思いをしました。
で、次に思ったのが、「このシステム、うまくやればBBQでも使えたんじゃないか?」でした。
完全に職業病。
実際、先日のBBQでは、生徒たちとその保護者方をチーム分けして、ダイス獲得競争にご参加いただきました。で、今思い返してみると、(私が唯一見ていたハコサクライに限定される感想ですが、)
考えてる人はずっと考えて行動を選択していましたが、そうでない人もいたなぁ、と気が付きました。
最初に班を2つに分けてゲームに参加いただきましたが、チーム内に考える人がいる場合、その人がすべての行動を選択していた印象がありました。
結果として、真の意味での『全員参加』になっていなかったかな、と思いました。
次回、ハコサクライVer2は『真の全員参加』をテーマにしてみたいですね。(次回があればの話ですが)
一番よく動く人、よく動く人を手伝う人、いざという時にだけ動く人。
そんな役割分担があるゲームができれば、きっと楽しいですよね。