生徒の実力を把握する
今週は、4日連続で私末廣の連載である。
というのも、
5年生男子の首都圏模試に関して、
3人の総合偏差値を予想し、
最も遠かった者が4日連続でブログを担当することになっていたからである。
どこからともなく、「生徒の成績で~」などと聞こえてきそうであるが、
少し考えてほしい。
基本的にブログの作成は通常業務+αの仕事である。
従って、4日連続ブログの作成というのは、はっきり言ってやりたくない。やらなくて済むのならそれに越したことは無い。
となると、普段でも真剣に生徒の成績と向き合っている私たちであるが、
とてつもなく真剣に向き合うことになる。
通常のテストから点数を予測するだけでなく、性格や能力まで鑑み、
初めての対外模試でどれくらいの力を発揮できるかまでを考慮に入れて予想する。
まさしく、これぞプロの仕事である。
そして、プロの仕事は結果が全てなのである。
通常の塾で、一人一人の成績に関し、ここまで真摯に取り組む塾があるだろうか。
きれいごとで片付けるのは容易いが、大人も子供もゲーム要素を入れることも時に大切なのである。目的は、あくまで生徒の成績向上にあるのだから。
蓋を開けると、全員の予想が1点以内に集まるという、まぁいかに日頃から全員が真剣に生徒を見ているかどうかが分かる結果となった(笑)
結果的に、男子3人は私たちの予想を上回る検討を見せ、最も低い(と言っても1点しか変わらないのだけれど)予想をした私が担当することになった。
ウソは真実を上回るか
不幸中の幸いとはこのことで、今週は私にとってイベントが目白押しである。
先週の日曜日は、TPPイベント、今日はちょっとしたセミナーへ。
セミナーは有料セミナーであるため、詳細までブログにて明かすことはできないものの、恐らくブログのネタとしては十分であろう。
さて、そんなこんなで、今日は、「塾で使えるボードゲーム」として、「ファブフィブ」を紹介したい。
いつものように、細かいルールなどは、皆様のブログにて割愛。
このゲームの面白い点は以下の二点。
1 数字が大きい順に数を言わなくてはいけない点
2 必然的に嘘をつかなくてはいけないタイミングが訪れる点である。
例えば、最初のプレイヤーが「2」「3」「4」のカードを持って「234」と宣言したとする。
次のプレイヤーが、一枚交換し、「943」と宣言したとする。
このとき、この宣言は、「本当」と「嘘」のどちらの確率が高いのであろうか。
基本的には、「本当」である確率が高い。
なぜなら、二番目のプレイヤーは一枚変更した。
ということは、最初の宣言から二つの数字は維持される確率が高いからである。
さらに、前提となる最初のプレイヤーは、基本的には嘘をつくメリットがないと考えられるからである。
といった風に、ある程度論理的に考えていくことができると思い、このゲームを選定した。
しかし、結果として以下のことが起こった。
・大きい数字から言うというルールが飛んでしまい、その結果、「本当」「嘘」の判断が付きやすくなった。
・カードを交換してから、時間を要するプレイヤーがいた場合、論理とは別のもので「嘘」が判明してしまった。
・変える枚数と宣言する数字の個数にづれがあり、容易に判断できた(作戦ならよかったのですが。)
・不用意な3枚替えが行われた。
論理の問題というのもあるかもしれないが、小学生において、「嘘をつく」ことが想像以上に難しいことを再認識できた。
考えてもみれば、「上手な嘘」とは「真実」を語るよりも何倍も難しい。
真実の不都合性を隠蔽するために、前後の脈絡から矛盾しない、自分にとって都合の良い事実を紡がなくてはいけないのだから。
実は、購入に際して、テンデイズゲームズのタナカマさんより、
「小学生相手にブラフゲームの取り扱いは難しい」とご助言をいただいており、
まさしくその通りの結果となった。
さすが、プロの目は確かである。
その後の授業では、通常の思考とそこから考えられるウソである確率などを一通り、ディスカッションしながら解説すると、それなりに上記のような不都合は改善された。
ということは、日頃嘘をつかない“イイ子”達ばかりだということもできるのだろうか。
はたまた、“ウソをつくこと”で論理的思考能力も培われると考えられるのだろうか。
ここは、教育者として「正直者に神宿る」と言っておこう。
私がこういうこと自体が「ウソ」だと言われそうであるが(笑)