塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

幼稚園に入るまでに「ひらがな」を書けるようにする方法

DGのノウハウ大公開!?

いつも自分勝手に、まさしく徒然なるままに書いているのであるけれど、

たまには(!?)、有益な、というか塾講師っぽい情報も書いてみようかと思い、

4本連続記事の最後として、「初めてのひらがな学習法」について書いてみようと思うに至った。

「ノウハウをオープンにしていいの?」みたいな話もあるのかもしれないが、

もしこの方法が正しくて、シェアできる環境があるのならどんどん取り入れていただきたい。

感想などいただけると、よりありがたいです。

 

字を書けるのはすごいのか?

まず、大前提として、

字を早くかけるようになったからといって偉くもなんともありません(笑)

別に英才教育でも何でもない。

字なんて、いつか誰でも書けるようになるのだから。

では、なぜ教えたのかというと以下の通り。

 

1 「活字」に対して興味を持ってほしかった

塾講師っぽい理由でexcellent!

ただ、これ自体は本当で、塾で指導していると「活字」に対する反応が極端に低い生徒がいる。10歳以降でこれを是正するのは、おそらく、未就園児にひらがなを教えることの数千倍の労力を要する鉄は熱いうちに打てということである。

 

2 「得意」だと思わせれば…

勿論、字は書けるに越したことはない。

そして、「得意」な意識を持つことは、この先良い方向に行く可能性が高いと考えた。

「塾」という仕事をしているせいもあり、恐らく、これから先、

彼女には難問・奇問が待ち構えているに違いない(笑)

それでなくとも、我が家に育つ上で、「天狗」になる確率は、

来年の今頃、私がどこかの私立学校の校長をしているくらい低い。

寧ろ、「苦手意識」が醸成されてしまう方が心配なくらいである。

そうであるならば、少しだけアドバンテージを与えてあげることは、

環境と彼女の性格に鑑みると悪い選択肢ではない。

 

3 自分の閃いた教え方を試してみたかった

実は、この理由が結構大きい(笑)

巷でやっている「なぞる」とか「シールをはる」とか「あから順番にやる」とか、

こうしたものには、日頃から懐疑的だった。

とはいえ、体系的な理論があるわけもなく、人さまからお金を頂戴して教えられるほどの確信もなかった。

そうなると、「わが娘で実験!」というわけである。

「娘」で「実験」というと響きは悪いけれど、

娘」に「ひらがなを教える」時間があるというのは、

考えてもみれば恵まれた環境なのかもしれない。

 

4 職業柄アホだと困る(笑)

周りが10歳から12歳のお姉さんばかりで、みんな勉強している環境があると、

自分もしてみたくなるらしい。

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それらなら、単純に遊ばせておくのももったいないという話。これが表向き。

裏向きとしては、職業柄、著しく成績不振、みたいなことになると

保護者会とか講演とかやり辛くて仕方なくなるのである。

まぁ、もちろん勉強とは全く関係ない進路もwelcomeなのだけれど、

どうせならできていただけた方がうれしい限りなのである(笑)

 

Let's try

前書きが長くなってしまった。それでは具体的に書いていきたい。

 

鉛筆握りをただす。

実はこれ、1歳くらいからやっていること。

下の1歳3か月の娘も、鉛筆はちゃんと持てる。

因果関係はないのかもしれないが、相関関係はありそうなこととして、

成績不振の生徒は、鉛筆握りが正しくないことが多い。

鉛筆握りに個性も何もないし、最初にインストールしてしまえば、

余程のことがない限り変更されるものでもない。

また、早ければ早いだけヘンな癖がついておらず、教えるコストは低くなる

 

自分の名前からしりとりを始める。

「あいうえお表」で体系的に学習するのは、

第二言語を習得する場合か、ある程度抽象化能力が高まってからで十分だと考えた。

未就園児にとっては、具体の世界こそすべてであり、

そう考えると「五十一音」の価値はすべて同じではない。

要するに書く頻度が違うわけである。

そうであれば、よく書く字からどんどん学習させていけばよい。

ちなみに、このとき「あいうえお表」は見えるところに貼るか置くかしておく。

その意味では、「あいうえお表」をまったく使わないわけではない。

ただ、

「探す」→「見る」→「真似して書く」

というサイクルをきちんと作ってほしかったのだ。

小学生を教えていても、例題の解説などを見ながら解こうとしない生徒、

そもそも見ながら学習できない生徒もいる。

自営業の娘という宿命を背負って生まれてきた娘には、

「自分で」学習するスキルをつける必要があると感じ、このスタイルを採用したが、

「音」を頼りに「探す」作業は、思いのほか、楽しかったようである。

さて、しりとりであるが、一緒に家の中のものでやってもよいし、前もって準備しても良い。

私は仕事柄教材を作成し、印刷することが可能なので、

イラストや等を活用して作成していたが、その都度示すやり方でも十分だと思う。

ただ、一点。根気はいりますよ(笑)

プリントだと自分でやることを教えると、あとはオートマチックに進むのでラクです。

www.irasutoya.com

それと、なぜ「しりとり」かというと、必然的に「反復」出来るからである。

子どもの集中力は短く、同じことをさせようとすると基本的に飽きる。

「しりとり」であれば、必ず一文字は反復できると考えたわけである。

この方法の欠点がある。

「ん」の反復回数が著しく少ない。

実際、わが娘の「ん」は、あまり上手でない(笑)

 

白紙をつかう。

よくある「あいうえお」の教材とは異なり、

まずは、真っ白のA3の紙にひたすらにしりとりを書いていく。

なぜか?

たとえば、こんな感じだと、

枠の中に書かせたくなりませんか?

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なりますね。絶対なります(笑)

そして、それを子供に伝える。「次は枠の中に書いてみよっか?」みたいに。

もちろん、それもいいのだけれど、

このフェーズでは「書ければOK」である。

最初からきれいに書くなんて、そんなことは全く求めていない。

寧ろ、「活字に対する興味」が目的なのだから、

好き好んで書いてくれれば御の字なのである。

しかし、親というのは面倒なもので、

習性として現状以上を求めてしまう

それならば、最初から枠を失くしてしまえばよいのである。

私は、職場の裏紙を活用したが、スケッチブックとかチラシとか何でもいいと思う。

ただ、大きい方が、ダイナミックでお互いに楽しいかもしれない。

実際には、こんな感じ。↓

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 「むしめがね」→「ねこ」→「こま」

あとは求めるものを

ここまでくると、ほとんどの文字が書けるようになっている。

本人は、字を書くのが楽しいのだから。

そうすると、「なぞる」だろうが、「枠内に書く」だろうが、

与えさせすれば、自分からやるようになる

街中で看板を見れば読もうとする。

こちらは、「読めたね」「書けたね」事実を告げればよい。

殊更に、オーバーリアクションで褒める必要など、1ミクロンもない。

何でもそうなのだが、「定着するまで」が難しい。

だから、諦めやすい。

ただ、

時期が早ければ早いほど、成功体験も小さなもので済むので、

もしかすると、早期教育のメリットはそんなところにあるのかもしれない。

今の娘(年少)だとこんな感じ(プリントは、インターネット上のものです。)。

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決してキレイとは言えないけれど…(笑)

 

 まとめ

一応、ここまでのまとめ

1 自分の名前を書く

2 身近なもの、今見えるものでしりとりをする

3 使用するのは白紙が望ましい

4 あいうえお表は見えるところに、見ながら真似る

5 それとなく書けていればOK。巧拙や大小は気にしない

6 書けるようになったら、本人の求めるものややらせたいものをどうぞ

 

番外編 カタカナ

では、この要領でカタカナも、と皆さんお考えかもしれない。

しかし、そう簡単にはいかない。

なぜか。

折角できるようになった「ひらがな」を放棄し、

また「カタカナ」という未知の記号へと戦いを挑まなくてはいけないことは、

3歳児にとって想像以上に酷なのである。

 

では、我が家はどのようにモチベーションをつけたか。

一つ目は、どのご家庭でも実践できる方法なのだが、

街中のカタカナを探す方法。

街の看板を見てみると、「ひらがな」よりも「カタカナ」の方が多い。

「ひらがな」は漢字に代用されているからである。

これによって、「カタカナ」の必要性を刷り込む。

ただ、正直に言おう。

我が家ではこれだけでは、十分なモチベーションとは言えなかった。

そこで登場したのが、ボードゲームである。

彼女はボードゲームが大好きである。

そんな彼女に私は、ボードゲームの説明書を見せる。

また、日本語化されたゲームの箱を並べる。

そして、言う。

「カタカナを覚えたら、もってゲームが楽しくなるよ。」

彼女は、たぶんボードゲームをするためにカタカナを学習している。

もう、お気づきだろう。

この手は、漢字でも使える(笑)

ただ、下の子にも通用するかどうかは、未知数である。

 

終わりに

ということで、ややというかかなり長文になってしまったのだが、

ひらがなの習得法について書いてみた。

もちろん、両親が学習塾を経営しているというのは、かなりの特殊事情なので、

採用できる部分、採用できない部分、両方あったと思う。

他にも、5月生まれとか、女の子だからとか、性格とかいろいろあるのかもしれないが、

強引にまとめようとすると、

「興味を引きながらやると、楽しくなって、いつの間にかできるようになっているよ」

という話。

とか言っておきながら、来年の今頃には、

「長女が勉強しなくて困る」みたいなブログを書いているかもしれないけれど(笑)

 

 

もし、何かお困りのことや、聞いてみたいことがあれば、

コメントでも、、

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www.deep-ground.com

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お気軽にお申し付けください。

ちなみに、今頑張って、幼児教室のリリースに向けて奮闘しています。

ただ、如何せんDGなので、テーマが壮大になりすぎていて、、、

受験とか、計算が速いとか、そういうことではない形を提供できるよう、

なんとか夏の間に形にしたいと思っています。

乞うご期待★