夏期講習中に1記事書いて、気がついたら2週間。あっという間でした。
あっという間すぎて先週記事を書き忘れてしまい、大変申し訳ございません。
現在、第2タームまでの16日間を終え、欠席分の補講期間です。
5年生は一通りのカリキュラムを終えて昨日は遠足に。
6年生も、3分の2の日程を終了したところで、昨日は気分転換に理科実験+口頭試問。理科実験、生徒が楽しく取り組んでいたので何よりですが、塾OBのお姉ちゃんに内容を聞いてくるのは反則かな・・・と思いました(笑)
さて、私がいつも夏期講習に必ずやっていることの1つとして、「3.14の計算」があります。
円周率=3.14の計算と言えば、小学校の間は散々苦しめられた割に、中学校ではπに置き換わるせいで「あの苦労は何だったんだ・・・」となる人が多い部分ですね。
ですが、中学入試ではほぼ間違いなく出題される平面図形の問題。
円やおうぎ形の問題が出題されれば、絶対に必要になるのが3.14。
3.14の計算は、小数のかけ算わり算になるため、正面から解こうとすると計算ミスが多発します。
平面図形の範囲を難しいものにしている要因の一つですね。
そこで有効なのが、この教材。
上のようなシンプルなプリントを用いて、生徒対抗で3.14競争をします。
ルール
①全員起立
②ストップウォッチを1個用意し、全員一斉にスタート
③一通り解き終わった生徒は「はい!」と言って手を上げる
④手を上げた生徒に時間を伝える。用紙に時間を書いたら着席
⑤全員が着席、もしくは3分経過したらそこで切って採点
⑥不正解1問につき、ペナルティとして時間を10秒追加
⑦最終的な時間で勝敗をつける
この3.14レース、終わってない人は立ったままで目立つので、みんなできるだけ早く終わらせようとがんばります。かと言って間違いが多いとペナルティで一気に時間が加算されるので、焦ってもよくありません。
最初の数日は純粋に計算力によって結果が分かれることとなります。
さて、これを毎日続けていると、なんと30秒かからずに10問クリアする生徒がちらほら現れ始めます。
毎日3.14の計算を継続することにより、3.14×1~10までの答えを覚えてしまうのです。
そうなると、ルール自体に変更は無くとも、このゲームの勝ち方が変わっていきます。
はじめは「正確に素早く計算することにより勝利する戦い」だったものが、
いつしか「正確に記憶することにより勝利する戦い」へと切り替わるのです。
「計算勝負なのに暗記するのはずるい!」というご意見もあるかと思いますが、実はこの教材、3.14を暗記してもらうためにやっているのです!
生徒が全員3.14の答えを覚えたら、こちらの思惑がうまくいったことになります。
3.14を暗記してほしい理由
3.14の計算は、小数のかけ算わり算になりやすい。
そのため、計算間違いが多い部分です。
入試に出るような難易度の円やおうぎ形の問題を、最初から順番に、まじめに解こうとすると、3.14の計算が3、4回必要になることもありますが、そのうちどれか1回でも間違えると、不正解となります。
そこで、3.14の答えをすべて覚えているとどうなるか。
まず、3.14×1~10までの問題を間違えなくなり、計算時間が短縮されます。
覚えてしまっているのですから当然ですね。
次に、もし大きな数と3.14のかけ算をすることになったとしても、筆算のときにかけ算をしなくてもよくなります。
例えば3.14×24を計算するとして、
筆算で使う数字の並びがどれも3.14×1~10の数字の並びになりますから、やはり解くのが早くなります。
それに、間違い防止にも役立ちます。
例えば3.14×4をつい忘れてしまい、筆算したとしましょう。
(正しい答えは12.56)
ここで間違えて12.46という答えが出てきてしまったとしても、「あれ、聞き覚えが無いな・・・?」と違和感を感じられれば、誤答を未然に防ぐことになります。
ということで、3.14を覚えるとこんなに有益!というお話でした。
あ、大半の生徒が3.14×1~10を覚えたころに、
こんなプリントや、
こんなプリントに挑戦したりします。
それもこれも、3.14の計算を間違えないでもらいたいがため。
何度もくり返して、3.14を完璧にしてくれると幸いです。
ちなみに今年の最短記録は、3.14×1~10で17秒。
大人でも難しいことを小学生がやってのけるところを見ると、努力も素質であると言えますね。