塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

塗り返す知識

長かった夏期講習。イベント日を含めて実に26日間の学習期間でした。

参加された皆さん(保護者の方含む)、お疲れさまでした!

そして夏期講習が終わったかと思ったら、小学校はもう新学期

ほとんど休む間もなく平常運転へと切り替わりました。

まぁ、休みも長すぎるのは逆に毒になりますからね。(例:五月病)

 

 

さて、2月から始まった当塾の6学年算数カリキュラムですが、この夏期講習をもって

受験範囲の2周目が終了となりました。

2周目、ということで、人によって受け取り方が違う夏期講習になったと思います。

 

1、2月に受験勉強を開始し、今回で2周した人は

今回の夏期講習で2周目を終了した人は、1学期の復習としての効果があったと思います。

毎日テストの中にも、1度聞いたことのある公式があったり、見たことのある面積図があったりしたことでしょう。

それらの問題が滞りなく溶けるのであれば何も心配はありません。

 

ですが、心配無いとは言い切れない部分も多かったかと思います。

1度やったことでも、意外と忘れているものでしょう?

人間、ときどき思い出してやらないと忘れてしまうものです。

まずは公式の思い出しから始めて、簡単な問題を解き、その上で演習プリントを行うことで、しっかりとした知識の定着につながります。

 

夏期以降は、一歩進んだ応用問題に着手し、様々な出題形式を経験しましょう。

夏期講習で扱った問題は、速さなら速さ、割合なら割合といったように、単元ごとに整理されたものでした。

ですが試験本番では、文章や図からどんな問題なのかを判断しないといけません。

 

え?この文章でつるかめ算!?

みたいな問題に出会ったとき、きっと感動を覚えることでしょう。

本当に感動します、本当に。

(感じ方には個人差があります) 

 

2、夏期講習から受験勉強を開始し、今回が1周目だった人は

今回の夏期講習から受験勉強を本格的に開始した人は、見たことのない問題の数々に圧倒されたことと思います。

受験勉強は、学校の勉強とは全然違います。

たしかに、学校で習った小数分数の計算や面積の求め方がベースにはなっていますが、それを2重にも3重にも難しくしたものが、受験で出題される問題です。

具体的には、この夏期講習で扱った毎日テストの問題は、受験で出題される問題の中でも基本的な問題ばかり。受験直前の1月の時点では全部解けなくてはいけない問題です。

 

そして、2月から勉強を始めていた人との差も実感できたと思います。

毎日大きな点数差がついてしまうテスト。どうしてこんなに点数が違うのでしょう。

当たり前のことですが、期間にして約半年の遅れがあります。

その半年の差が、テストの点数の差に表れていました。

 

たとえば、受験で特に出題される「速さ」の問題ですが、これを解くためには「速さの3公式」が必須となります。これを知らない人は、速さのテストを渡されても、手も足も出ないでしょう。

2月スタート組は、2月からの授業で「速さの3公式」を覚えたのです。だからこの夏期講習ではある程度先の位置からスタートできていました。

夏期スタート組は、まずはその「速さの3公式」を覚えなくてはいけません。スタートの位置が違うのです。

 

そして、これと同様に、割合の範囲であれば「割合の3公式」、平面図形なら「おうぎ形の面積の公式」など、各単元に必須公式があります。

9月の授業が始まる前にぜひ、一通りの公式をもう一度確認しなおしてください。

 

日曜日の授業内容を先取りできる木曜日の平日講座「金剛不壊」もオススメですよ。

 

 

3、例え話

このことを、数年に1度やっているペンキ塗りで例えると、

 

1周目は下塗り

金属やツルツルの机には、まずは水でうすめたペンキを塗ります。

これを塗っておくことで本塗りの色が定着しやすくなりますが、これだけやっても見栄えが悪く、とてもはがれやすい状態です。

 

2周目からは本塗り

下地を乾燥させてしっかり固まったら、ペンキ原液を塗ります。

これで見た目もよくなり、金属そのものの色が透けることもなくなります

この本塗りも1回だけではなく、乾燥させて2回目、3回目、…と何度も塗って、より強固な状態にしていきます。

 

この重ね塗りこそが、9月以降に皆さんがすることになる作業です。

 

9月から算数のカリキュラムは3周目に入ります。

もう1周だけレギュラー授業で基礎部分を扱い、知識を完璧なものにします。

さらに、祝日に行われる各種特訓イベントにより、4周目、5周目も同時に重ねていくことになります。

 

塗れば塗るほど頑丈になるのが机の色塗りなら、繰り返せば繰り返すほど解けるようになっていくのが算数です。

 

まだ下地がしっかりしていない人はタイムレースを下地が固まっている人は演習を

現在の自分の状況をよく考えて、2学期以降の学習に取り組んでいきましょう。