塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

塾講師が考える説明書を使った国語力向上法

またしてもアイツがやってきた

最近おなじみになってきた「塾講師が~」シリーズで今週もお伝えいたします(笑)

さて、2学期もスタートしているが、今年は台風が多く、その度に「振替授業」が頭をちらつく。

ある程度バッファを持たせておけばよいのだろうが、

中々そうもいかず…。

今回は、風こそ強くなったものの、通常通り本日の授業を終えることができた。

今後もきっとやってくるのだろうけれど、、、

来るなとは言わない。

日曜日だけは勘弁してほしい(笑)

 

宿題はボードゲーム

さて、その2学期であるが、どこかで書いた通り、

ボードゲームを代表者に持って帰ってもらい、当日の説明に備えてもらった。

今年は人数が少ないため、2班構成。

初回のゲームは、「What's up」「リスのこのみ」

 

どちらも、小学校低学年でもプレイできる難易度で、

時間も20分程度のものである。

「What's up」

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fu-ka.livedoor.biz

「リスのこのみ」

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fu-ka.livedoor.biz

 

さて、蓋を開けると…

 

全然説明できてないじゃん!

 

理由は大きく分けて2つ。

1つ目、担当者の準備不足。

簡単なゲームだからと高を括っていたのだろうが、

一人で文章をもとにゲームを理解し、

再構成して人に伝えるのは、そう簡単ではないのだ。

何ページあろうが、どんなに複雑なゲームであろうが、

いとも簡単に説明してのけるのは、運営部長だからである!

(いつも人任せなのは秘密(笑))

2つ目、ゲームと侮っていた。

もちろん、保護者の皆様がご多忙なことは重々承知しておりまして、

そんな中に「一緒にゲームやって」なんて言われれば、

「忙しいんだから勉強してなさい」と言いたくなるものだと思います。

ただ、説明書を紐解いていただくと、

「? わからんぞ?」

と「ゲーム」の見方が変わっていただけるのではと考えている次第。

もっとも、説明書が読みにくく、余計にヤル気が喪失される可能性もあるのだが…。

とにもかくにも、

たかがゲームと侮るなかれ

 

質問するのも難しい

さて、担当者の説明不足はある程度想定の範囲内

それでは、なぜそれでも授業で使用したのかと言うと、

「質問力」が培われると考えたからである。

説明が不十分である場合、このままではゲームが成立しない。

当然、他のプレイヤーは何をしていいかわからない。

そこで、「質問」をしていくのである。

説明者と他のプレイヤー達とのやり取りを通じて、

オホーツク海ばりの濃霧に包まれていたゲームの全容が、

少しずつ明らかになってくるのである。

これぞ古代ギリシアより伝わるソクラテスメソッド

またの名を「アクティブラーニング」(笑)

(あまり好きな言葉ではないのですが、あえて使ってみました。)

反対に、私がインスト係で、

ただし、質問にしか答えないというのも面白いかなと感じた。

来年の1学期あたりに、こうした方式も試してみたい。

 

人生とはすなわち場合分けだ

0から3までのカードを使い…

というおなじみ、「場合の数」の問題。

必ず聞かれるのが、「バアイワケトカ、イミワカラナ~イ」というまるで異国の地を訪れたかのような言葉。

まぁ、解答が定まるという発想で「勉強」と向き合ってきたであろうから、

やむを得ぬと言えば、やむを得ぬのだが。

ところが、「リスのこのみ」での議論の際、

ファシリテーター役の生徒から、

「場合分けが結構必要になると思うのですが…」

という声が聞こえてきた。

今なんて言った?

場合分け?バアイワケじゃなくて場合分け?

その通り!

このゲームは、「テン」を無視できるスタートプレイヤーであるときと、そうでないときで戦略が異なる。

また、それぞれに対して、確認した列に「テンがいるかどうか」で異なっていく。

本当は、更に相手の手番で出された「リス」の種類によってことなるのだが、

そこまで行くと複雑すぎて、流石にしんどい(笑)

要は、「場合分け」という概念の必要性が出てくれば、それで十分なのだ。

このゲームは、リスを出した後、回収する際にも、

「場合分け」が必要となってくる。

「勉強」で必要となる前にゲームで体験しておくと、「場合分け」に抵抗なく対応できるかもしれない。

という塾講師っぽいことを言ってみたが、

別に「勉強」関係なく、「場合分け」の楽しさを感じてほしい。

まぁ、何が「勉強」なんだという話ではあるけれど。

 

タイトルを回収してなかった

書きたいことを書いていたら…

タイトルを回収し忘れた(笑)

「国語力」とは…などとこの期に及んで定義から始めると、

私のすべての業務が止まりかねない。

ということで簡単にまとめると、

 

1 説明書を読みながら、目の前のコンポーネントに触れることで、

 文字から具体的にイメージする実践的な読解力が身につく。

2 質問することを通じて、「要点」を意識することができるようになる。

3 質問に答えることで、「アウトプット」の力が付く。

 

まとめるとやはりどこか安っぽいのだけれど、

ボードゲームという素材は、「楽しみながら」体感できるのがよいところだ。

さて、最近ではこんな感じで研修などにも使われ始めたボードゲーム

togetter.com

弊社としても、進学塾×ボートボードゲームという

いままでの「ボードゲーム」界とは違う括りで、

DGとしてできることを広げていきたい。

というのは表向き(笑)

この棚が全てを物語る。

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