塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

中学受験塾の講師がボードゲームをしながら幼稚園児に感じたこと

「中学受験塾」主催「幼児対象」ボードゲーム

先日は、初開催の「中学受験塾」が主催する「幼稚園児とその保護者」対象ボードゲーム会。

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 名前がだいぶとっ散らかってはいるけれど、とにかく幼稚園児とボードゲームをしてみよう!という企画。

授業でやるときのように、説明書を読ませたり、勝った人の手を振り返ったり、ということはとりあえず無し。

この日は「楽しむ」ということを重点に、準備をし、当日を迎えた。

なんといっても、我がDGにはインストマスター櫻井がいるので、私は何も心配していない(笑)

 

当日のゲーム達

私は、同じバス停の年長さん担当。

といっても、途中から合流するので、そうなると櫻井にお任せ(笑)

櫻井は年少5名を担当。

妻はお母様たちの担当。

ということで、それぞれがやったゲームをまずはリストアップ。

【年長】

forest

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ゆかいなふくろ

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fold-it

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カステリーナの宝物

 

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【お母様】

いろどりシティ

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マラケシュ

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Take it easy

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ナゲッツ

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【年少】

ウミガメの島

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ネコとネズミの大レース(途中)

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LEO

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DOMEMO

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【年少&年長】

ファイアドラゴン

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メモアール

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カステリーナの宝物(再戦)

あとは一人用知育系をチラホラ。

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年長はかなりやれるなという印象。

反対に、年少はダウンタイムが長くなるとちょっと大変。

お母様方には、見た目もよく、取り組みやすいものを中心にセレクト。

 

子どもはゲームが好きだ

さて、ここからは感じたこと。

まずは全体として、とにかくテンションが高かった

カラフルな教室。

溢れるアロマの香り。

BGMはジブリのオーケストラ。

ってそこではなくて、

見たことのない箱、

ワクワクするコンポーネントに心躍らせている姿は、

まさしく「童心」と評するのがふさわしい。

ゲームをしているときの時間はあっという間に過ぎ去る。

最後は、みんな「帰りたくない」「また来たい」と言いながら、教室を去っていった。

ボードゲームの楽しさを確実に感じ取ってくれたことだろう。

 

本気の勝負は楽しい

私が担当する年長さん。

年長??もうすぐ小学生ですよね??

ということで、全力でボコボコにいたしました(笑)

なんか、統計があった気がしなくもないけれど、

それはそれ、これはこれ(なんか古臭い教育者みたいでいやだなこの表現。)

ただ、リアクションは意外なもので、「もう一回」のオンパレード。

家に帰ってからも、「本気でやってもらったのは初めてでとても楽しかった」とのご感想を頂いた。

そうなのだ。

大人が思うより、子どもは強く、感じ取る力がある。

気遣いなんてしなくとも、全力でその場を楽しむ力があれば、それが子どもに伝播していくものなのだ。

えっ?決して、大人げなく全力且つ大声でガッツポーズしていた言い訳ではないですよ(笑)

 

 お母様が気になることは

お母様方が気になるのは、やはり勉強のこと。

まぁ私たち、「進学塾」ですから!

ときどき確認しておかないと、忘れられてしまいそうなので(笑)

ということで、「たし算の勉強にいいボードゲーム有りますか?」

「ウミガメの島とか、ピッグテンとか、Sleeping Queenとかですかね。」

みたいなやり取りはあるのだけれど、

それ以上に、いろどりシティを何度も楽しんでいたり、

マラケシュで私をボコボコにしたり(泣)、

まずは、そんなボードゲームの楽しさを感じてもらえたことが良かった。

普段、何かと忙しいお母様方。

中々、子どもをケアせず楽しい時間を過ごすというのも容易ではなく、

その意味では、よいリフレッシュになっていただけたのなら幸いである。

それと、夫婦で楽しむボードゲームのご紹介をできたのもよかった。

子どもたちが寝てからの時間も大切なボドゲ時間だ。

自営業には中々ないのだけれど…(笑)

 

 少しだけ気になったこと

ここまでは、とても良い感想。

それ以外にも少し気になったことをいくつか。

まずは、「ネコとネズミの大レース」のインストを櫻井が始めたところ…

「ネズミがネコに追いかけられて食べられるのは怖いからヤダ」

という声もあり、止めることに。

もちろん、こうした感性はいわば子どもらしい感性で、とても微笑ましい。

気になったのは、想像力から嫌だったのか、追いかけられるという心理状態が嫌だったのかという点。

もちろん、嫌なことをする必要はないのだけれど、

「何かに追いかけられる」みたいな局面は必ずどこかで来るわけで…

この辺りのマインドは少し気になった。

もう一つ。

一人用知育系ゲームの諦めがとても早いこと。

こうしたゲームは、答えそれ自体よりも、そこに向かっている時間の方が大切。

できなくても、自分なりに試行錯誤する、そんな時間をもう少し見たかったと言うのが本音。

焦れたり、答えを見ようとしたりというのはちょっと残念に思えた。

これには、自分の感情をある程度コントロールしながら、やり抜くことが求められるので、中々幼稚園児には酷なのだけれど。

最後に、一人用ゲームのルールを改変し、「3人で、せいのでやろう」と言ったところ、

「そういうのしない。競争は赤ちゃんがするものだから」と言われてしまった。

多少、火が点きかけて、私が4歳児を泣かしかけたのは、きっと誰にもバレていないはずだ(笑)

競争は悪ではない。というか、社会で生きるということ自体が競争とは不可分だ。

人と比べることも悪いことではない。その評価を、人格や存在価値と結びつけることが間違えているだけだ。

自分より早くできた子がいる場合、その子と自分を比べ、そこから学ぶことは、必ず、その子の成長につながる。

適切な競争の仕方、人との比べ方、みたいな感覚を早めに持っておくと、

必ず訪れる競争の段階において、無駄に疲弊することがないように思う。

 

幼児教育って難しい

さて、実は、幼児教育のヒントに!

ということで開催した今回のイベント。

櫻井、田川、末廣、3人の出した結論は、

「4歳児って難しい」

私たちとしては、所謂「非認知」の部分をしっかりつけていきたい。

もっとも、ここを強調すると、その日の仕上がりはマチマチになるため、

「今日何したの?」に対する“見た目”の部分はどうしても弱くなる。

また、週に1,2回で本当に「非認知能力」なんてつくのか、

そもそも需要としては、「認知能力」の方にあるのではないか。

(もちろん、この二つは相反するものではない。)

という疑問が堂々巡りを始める。

本当は、幼児合宿所みたいなのをしたら面白いんだろうけれど(笑)

その前に、合宿所なら小学生が先か。