塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

準備期間に感じた時間

早いもので、あの課外授業BBQからもう10日たちました

本館2階にはアクティビティで使った段ボールやペットボトルが収納されており、この教室で授業を行うたびにあの日のことが思い出されます。

 

・・・と言ったときに思い出されるのは、当日のことよりもむしろ準備期間のこと。

大量に購入した段ボールを組み立てて紙を貼ったり、12Lの水が入った巨大ペットボトルにテープを巻き付けたり、タブレットに謎を何個も書いてあーでもないこーでもないとこねくり回してみたり・・・。

その期間のことの方が記憶に強く残っています。

 

で、その後1週間ほどは気の抜けた人間になり、家でぐーたら生活を楽しんでおりました。

最近買ったタブレット用のアームがとても便利でした!

 

今感じている時間と、過去に感じていた時間

今、BBQが終わって1週間以上経過した時点で、改めて準備期間中のことを思い返してみると、脳にちょっとした混乱が生じました。

 

「準備期間の1日は長かった?それとも短かった?」

ぐーたら生活の最中に少し考えてみたところ、一言ではとても答えられないくらいに考え込んでしまった問題です。

 

 

まず、この日々を思い出すと、率直には「長かった」という感想が出てきます。

 

あの1週間、実にいろいろなことを考え、長い時間をかけて作業をしました。

私の担当した南北謎解き作成を例にしてみましょう。

BBQ課外授業反省【北謎】【南探検】 - 塾講師、かく語りき

 

・ざっくりとした構想ができたのはBBQの2週間前。

・そこから1週間で南探検のルート、問題、ヒントまで完成、北謎は5問中3問までおよその形が完成。

・月曜日に南探検の紙の大体の形が完成。

・火曜日と水曜日で北謎の5問がほぼ完成。ただし、最後の6問目を追加したくなり、一旦見直し。

・木曜日に北謎1問差し替えて、6問目も完成。

・金曜日と土曜日で両方のデザインを作成。(半分くらい去年の使いまわし)

・土曜日の夜に印刷して作業終了。

 

という感じで1週間、色々な工作の合間を使って完成にこぎつけました。

そしてこれ以外にも各アクティビティのルール全体の枠組みなど、考えることが膨大にありました。

 

あと単純に「起きている時間が長かった」というのもあります。

準備期間中は、毎日昼から夜まで、そして授業をはさんで夜から朝まで段ボールたちと格闘していて、睡眠時間が短かったのです。

20時間起きている人と15時間起きている人とで感じる1日の長さが違うのは、当たり前の話ですよね。

 

なので、当時にやったことを今振り返ってみると、準備期間はたしかに長かったはずなのです。

 

 

ですがその一方で、「やっぱり短かったんじゃないか?」という思いもあります。

というのも、毎日作業終わりに「今日も1日短かったな」と思った記憶があるからです。

 

黙々と作業をしていると時間はあっという間に過ぎていきます。

思ったように作業が進まず、試行錯誤をしたりして気が付くともう外が明るい。

という日々のくり返しでした。

「このままでは間に合わない、時間がない!」という焦りも関係していたのでしょう。

 

当時の自分は確かに1日を短く感じており「短かった」という感想を持っていたわけです。

 

 

 

おそらくですが、このような混乱が生じた理由は、当時と現在とで「時間の長さ」を決める基準が異なっているからなのではないかと思います。

 

準備期間当時の自分は、膨大な作業を前にして「1日にやるべき作業が多い!」と思い、実際には睡眠時間を削って得た通常より長いはずの活動時間を「(これでもまだ)短い」と考えて、「1日は短かった」と結論付けたわけです。

つまり、(作業量に対して)1日は短い」というわけです。

 

一方で、現在の自分は、BBQに向けて行った膨大な作業の記憶があるので、「作業を全部終わらせられるだけの時間をかけた」わけだから、「かけた時間は長かった」と思っているのです。つまり、思い出の中の作業時間を見ているのです。

1週間の作業量は確かに膨大で、しかもそれらの作業を確実に自分が行っているのです。その「作業の記憶」をもとにしているので、(作業量を見て)1日は長い」というわけです。

※実際は作業全体を見ているので、「あの1週間は長かった」の方が表現として正確ですね。

 

 

子供のころは「1日は短く、1年は長い」ように感じ、

大人になると「1日は長く、1年は短い」ように感じる。

と聞いたことがあります。

まさにその言葉を体現したかのような1週間でした。

 

 

 

まぁ、喉元過ぎれば何とやら・・・(笑)