先日、夜道を自転車で走っていたとき、オートライトが急に消えてしまうアクシデントに見舞われました。
家の近くでの出来事だったので、押して帰れる距離だったのは不幸中の幸いでした。
帰宅後、何とか直らないかと色々観察してみたのですが、考えてみるとこのライトの仕組みをよく知らないまま使っていたことに気付きました。
昔、中学校まで自転車通学をしていたときには、タイヤで発電するライトを使っていました。暗くなったら手動でライトの発電部分を傾けて、タイヤの回転でモーターが回って発電し、点灯するライトです。タイヤが重くなるやつ。
あちらのライトも何度かつかなくなったことがありましたが、原因はせいぜい電球が切れたとか、発電部がうまく回っていなかったとかその程度のもので、軽度の故障であれば中学生でも直せるような機械でした。
それが今回故障したのは、外見からでは仕組みのよくわからない高性能ライト。
特に車輪に組み込まれている銀色のドラムのようなものが絶対素人には手出しできなさそうな見た目です。
仕組みが難しいものは、素人ではよくわかりません。こうなったときにはやっぱり、プロを頼るべきでしょう。
便利な世界=素人お断りの世界
世の中はどんどん便利になっていきます。
私が小学生だったころに比べて、いろいろなものがとてつもない進歩を遂げています。もちろんそれは素晴らしいことなのですが、その結果、専門家でないと解決できない問題も増えています。
例えば、昔であればテレビなんて上をバンとたたいたら何とかなったものですが、今の薄型テレビなんてたたいたら割れてしまいそうです。電話も昔は電話線でつながれた固定電話だったのが、スマホはなんと手のひらサイズになり、1人1台持ち歩く時代になっています。これが壊れたとなると、専門のお店に行って直してもらう他ありません。
ブラウン管テレビ懐かしい・・・
受験算数においても、「便利なものは難しい」という事態が起こっています。
分かりやすいのが『面積図』です。
問題:1個70円のりんごと1個40円のみかんを合わせて75個買い、3630円支払いました。りんごを何個買いましたか。
いわゆる「★つるかめ算」という問題です。
この問題を解くには、昔であれば方程式を使ったり、表にガリガリ書いて解いたりしていたものですが、面積図を使えばすぐに解くことができます。
左図:たてを値段、横を個数、面積を代金とする長方形を書く。
りんごの代金とみかんの代金の合計が、面積の合計で3630円。
右図:下の部分を区切ると、区切りの面積は たて40円×横75個=3000円
上の部分の面積が630円となり、たての長さの差30円を使い、横の長さ△を求める。
この便利な面積図が開発されてから、多くの塾や参考書で面積図を使った解法を取り入れています。さらに、つるかめ算だけでなく、「★濃度算」や「★仕事算」などでも面積図を使うため、もはや受験生の必須技能と言っても過言ではありません。
面積図を知っているかどうか、使いこなせるかどうかで点数差ができるのです。
面積図の発明によって問題を簡単に解けるようになったのですが、その結果面積図が当たり前の時代になり、受験問題の難易度はますます上がり、それに対応するため受験勉強も複雑になっていくという流れがつくり出されたのです。
世の中が便利になるにつれて、専門の人とそうでない人の差が開いていくのです。
自転車のライトだって、簡単な仕組みのライトであれば多少自力で直せる部分もあるでしょうが、仕組みの複雑なライトが故障したときにはちゃんとしたプロの方に見てもらった方が安心できます。
自転車で困ったときは自転車屋さんに持っていくことにしましょう。
「餅は餅屋」という言葉を作った人もきっと同じ心境だったに違いないですね。
ですが、その前に一応ネットで「ライトが付かない場合の原因と対処」を調べて、改めて自転車を見てみたところ・・・
ここの配線が抜けていただけでした!
スマホって便利!