突然ですが、問題です!
【問題】
どんな算数の問題でも解ける「算数天才少年」がいます。
この少年が、ある算数のテストを受けたところ、なんと0点でした。
さて、それはなぜでしょう?
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【答え】
テストがフランス語で書かれていたから!
文章読解力と算数の関係性
さて、6月です。
当塾の学年開始が2月でしたので、学年開始から5か月が過ぎようとしています。
算数は7月まででひとまず全範囲が完了しますので、現在終盤戦に差し掛かったところです。
当塾における6年算数のカリキュラムが「文章題」に入りました。
「文章題」とはその名前の通り、問題が文章で与えられ、それを読んで解く問題です。
※文章題には「消去算」「差集め算」「つるかめ算」「仕事算」「平均算」など、実に多くの形式があり、それらをまとめて「文章題」と呼んでいます。
毎年この範囲が始まったときに、私が必ず授業で話すのが、冒頭の「算数天才少年」の話です。
正解を発表すると大抵「ずるい!」と言われます(笑)
稚拙な意地悪問題のようですが、私の考えでは、これこそが文章題の本質であり、数字で直接出題される計算問題とは大きく異なる部分です。
それでは、ここでいくつか文章題の例題を紹介します。
【例題】10分 5問×20点
(1) 30人のクラスで、男子と女子が同じ人数のとき、男子は何人ですか。
(2) 30円のおかしを50%引きの値段で買いました。支払った金額は何円ですか。
(3) 片道15kmの道のりを、行きは時速10km、帰りは時速30kmで移動しました。このとき、平均の速さは時速何kmですか。
(4) たくさんあるえんぴつを何人かの子供に配るとき、1人に28本ずつ配っていくと13本あまり、1人に30本ずつ配っていくと17本不足します。子供は全部で何人ですか。
(5) あるお店の開店前、お店の前に30人の行列ができており、さらに1分ごとに4人のペースでお客さんが行列に並んできます。開店後、1分ごとに6人ずつ入店していくと、行列が無くなるのは何分後ですか。
このように、文章で出題されるのが文章題です。
解いてみてお気づきの方もいるかと思いますが、以上の問題、
どれも最後は「30÷2」で答えが出る問題なのです!
そのため、答えは全部 15 です(笑)
初めから「30÷2」と出題されていれば誰でも解ける問題なのですが、その式に至る道筋を文章でゴテゴテに修飾したものが文章題なのです。
(おっと、1つは速さの問題でしたね)
文章題を解く際には、基本的に4つのステップを踏む必要があります。
(1) 問題文から、何算なのかを判断する
(2) 問題を解くために必要な情報を、文章から抜き出す
(3) 脳内から、問題に対応する解法を思い出す
(4) その方法を使って解く!
文章題が苦手な生徒を見ていると、この中でも特に
(2) 問題を解くために必要な情報を、文章から抜き出す
これができない生徒が多いように思います。
確かに、簡単な1行程度の文章問題であれば、書いてある数字をうまくたすか、引くか、かけるか、割るかで答えが出ます。
ただ、それは問題を解いたわけではなく、あくまで計算がたまたま合っていただけです。
そういう人に限ってよく
「たし算じゃないの?あ、ひき算だった-」
みたいな、自分はわかっていたのにたまたま軽いミスを犯しただけだというような
「謎のアピール発言」をします。
受験の文章問題では、文章内には書いていない数字を使って問題を解くことが求められます。
だから上記のようなラッキーヒットはほぼありえないことです。
試験を作る先生は、皆さんがちゃんと文章が読めているかどうかをチェックしているのです。
この場合の「読む」とは、
問題文から適切な解法を推測し、適切な数値を抜き出す
ことを意味します。
いくら計算が完ぺきであったとしても、問題の文章が読めていないと、文章題は解けません。
「算数天才少年」には少しかわいそうなことをしましたが、
皆さんは日本の学校で、日本語で書かれたテストを受けるのですから、
しっかり点数を取ってくださいね!