塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

算数の問題の難易度

塾の算数の話です。

当塾のカリキュラムにおいて、算数の2月と3月は基礎範囲

5年生であれば小数や分数の計算方法を2月で扱い、続いて3月に「割合」の授業を行います。

6年生は、初週は基本計算ですが、その後は「割合」「速さ」「図形」など一通りの範囲について軽く触れ、基本公式や解法を授業していきます。

 

言うまでもないことですが、全ての物事において基本は大事。

基本事項がしっかり出来ていればこそ、その先にある応用問題に手をつけることができるのです。

 

 

試験の難易度

算数の問題を作る立場から言わせていただくと、算数の問題を作る際には、

・生徒の現在の学力

・本番に出題されそうな問題

・ワンパターンにならないように

など、いろいろなことを考えます。

 

特に、現在の学力レベルを気にしておかないと、やたら難しすぎて解説前提になってしまったり、逆に簡単すぎて経験値の足しにならなかったりするので、難易度の設定と調整が問題作成の要になります。

 

ただ、もちろん生徒によって学習進捗度は異なりますから、1問で全員にフィットするような問題はつくれません。ですから、その観点でいうと、何段階かの難易度別に問題を用意しておくことが理想ということですね。

 

イメージとしては「とび箱」に近い気がします。

とぶのは生徒、高さを決めるのは先生。

 

 

 

難易度調整の話になったので、ひとつ例を。

 

前回の記事で、

「4Lの牛乳のうち15%を飲むと、残りは何mLですか。」

という算数の問題を出題しました。

「単位変換」「割合」の問題ですね。

 

 

この問題を、難しさのない大元の形に戻してみるとこうなります。

「4000mLの牛乳のうち600mLを飲むと、残りは何mLですか。」

この問題文なら、千の位までの数を習ったことのある生徒であればすぐに解くことができます。難易度としては2年生レベルでしょう。

 

次に、この問題を少しだけ難しくしてみます。

パターンA「4Lの牛乳のうち6dLを飲むと、残りは何mLですか。」

パターンB「4000mLの牛乳のうち15%を飲むと、残りは何mLですか。」

 

パターンAの方は、元の問題に「単位変換」の要素を加えたものです。

体積の単位がわかっていれば、単位をそろえてひき算するだけなので、純粋に単位変換の知識があるかどうかを見ることができます。

また、パターンBの方は、元の問題に「割合」の要素を加えた問題です。

4000mLの15%が何mLなのかを計算できれば、あとはひき算。割合計算がうまくできるかどうかが重要です。

 

そして、これら両方の要素を取り入れたのが、

「4Lの牛乳のうち15%を飲むと、残りは何mLですか。」という最初の問題です。

このようにして、問題のパーツを難しいものに置き換えていくことで、楽して問題の難易度を調節しています。

 

 

ここで、今の流れを逆視点、つまり解く側の立場から考えてみましょう。

 

4Lの牛乳のうち15%を飲むと、残りは何mLですか。」

 ↓(単位変換)

4000mLの牛乳のうち15%を飲むと、残りは何mLですか。」

            ↓(割合計算)

「4000mLの牛乳のうち600mLを飲むと、残りは何mLですか。」

 

このように、難しく言い換えられた各要素を1つずつ読み解いていけば、問題を徐々に簡単にしていくことができます。

この手法を授業では『☆要するに思考』と呼んでいます。

4Lの15% → 要するに600mL と置き換えることで、途端に簡単になりますね。

 

問題文から、作問者が意図的に難しくしたパーツを探し出し、簡単なものに置き換える手法。これができれば一行問題が解きやすくなること間違いなしです!

ただし、この手法を習得するには文章力、つまり国語の素養が必要になります。

算数の力をつけるためには、算数だけでなく、国語の方も頑張ってね!

 

 

☆おまけ☆

先ほどの問題に、さらに手を加えてみました。

「□Lの牛乳のうち15%を飲むと、3400mL残りました。」

答える場所を変えるだけで、結構解きにくくなったのではないでしょうか?

 

このようにして、全国の先生方は、問題を難しくしているのです!