塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

汝考えよ、さらば道は拓けん

五教科×ボードゲーム

先日、すごろくやのイベントに参加してきた。

sgrk.blog53.fc2.com

すごろくや代表の丸田さんはゲームの専門家

アナログゲーム療育の松本さんは療育の専門家

ということで、教科指導・進路指導が専門の私たちとは異なる観点からのイベントということで、とても楽しみに塾長と参加してきた。

「療育」的な観点は、完全に専門外ではあるのだが、

その意味では、自分たちとは異なるアプローチがあるということを知る良い機会となった。

また、丸田さんの思考力等に関するお話では、日頃から自分たちが話している内容と同趣旨のことが多く、再確認となる点が多かった。

ボードゲームを本当に楽しみたければ、五教科くらいやらなきゃ」は至言であろう。

プログラミングに関しても、弊社では、「言語」や「料理」など、

所謂“プログラミング”的なものは、積極的に取り入れていこうと改めて思うに至った。

DG的プラグラミングとは、「自分が思ったものを再現性のある形で作り上げること」である。

 

ボードゲームの教科指導的活用

さて、上記のイベントの中で、ボードゲーム体験もあった。

ワイルドバイキング」と「タイニーパーク」というゲームを活用したのだが、

タイニーパークはダイス運にも恵まれ、完成することができた。

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さて、その中で、ルールの読み合わせについてプリントをいただいた。

今まで、口頭試問の準備授業を念頭に、ルール説明は、

私が実施していたのであるが、説明書の読み合わせからやらせた方が、

生徒の国語力向上に資すると、自らの考えを改め、

前回の授業では、読み合わせから生徒が担当することにした。

前回の授業で用いたのは「3人の魔法使い」である。

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ルールの説明などは、私よりも丁寧な下記サイトに譲る。

saikoro-table.com

実際にやってみると

説明書の読み込みは意外と難しい。

なぜなら、同じ表記であっても、意味付けが必要だからだ。

すなわち、どこが幹で、どこが葉の部分なのかという、

重要性の軽重を意識しながら、自分の頭の中で再構成し、

読んだり、聞いたりする必要がある。

対象年齢は6歳からなので、決して難易度の高いゲームではないのだが、

それでも、説明書を読みこなすことは容易ではない。

 

1回目、説明書の読み込みが甘く、案の定失敗(笑)

「教科指導」の側面があるため、

・なぜうまくいかなかったか。

・読み飛ばしている(軽く扱ってしまっている)説明はないか。

・解釈の間違っている説明はないか

をしっかり確認。

 

今回は、1回目よりも善戦するものの、やはり失敗。

 

ここで、本ゲームの説明書を作ってもらうとともに、

成功方法についてしっかり議論する。

本ゲームはダイスを使うため、

「6分の1であっても、避けるべきリスク」など数学的な考え方も使いながら、

前プレイの反省と、勝利パターンについて考える。

 

そして、本ゲームを知らない教員が参加し、

生徒がルール説明&プレイである。

教員には、少しでもわからないことは質問するように言ってあるため、

前半は質問に答えるだけでも四苦八苦である。

後半のプレイはゴールに到達できなかったようであるが、

それでも生徒たちは感じるところ、考えることが多かったようである。

 

教科指導ならではの使い方

どうしても、教科指導だと「将棋の感想戦」のような

振り返りの時間が必要になり、

そして、それはそれなりに「きっちり」やる必要が出てくる。

しかしながら、ボードゲームは、より自然に

「先を見通すこと」「それに基づいてチャレンジすること」を設定しやすい。

この点は、前回も書いたところであるが、

今回やってみて改めてそのように感じた。

結局、自分で考え、実行し、うまくいくことの喜びを知る者は、

そのことを多くのことに波及させることができるのであろう。

 

宴のあとは

ちなみに、セミナーの後、二人だけの宴を実行した私と塾長であるが、

私はなぜだか、目が覚めるとと東中野の駅にいた。

そして、塾長は、解読困難な文言を社内チャットに残し、

ブログにも同様の文字の羅列を残した。

あれが暗号だったのか、はまたは、酔っていただけなのかは、

今週の金曜日明らかになるはずである。

 

 

時の旅人

愛しのドゥルシネーア姫とその他大勢に捧ぐ

 

めぐるめぐる、かぜー!!!

めぐる思いに乗ってー!!

懐かしい日にー!会いにー!ゆーこーおおおおおお!!

めぐるめぐる、かぜー!!!

めぐる思いに乗ってー!!

僕らはー!時の!!時のー!たびーびーとーーーーー!!!!

 

はい、締め切りに間に合わなかったのでやっつけです。

旅人算を視覚的にイメージするための偉大なツールを開発したのでそれで勘弁してください。

 

scratch.mit.edu

 

〇スラックさん使用料だけは勘弁してください。

標識再捕獲法をScratchで・・・(今週の口頭試問)

まだ見ぬドゥルシネーア姫とその他大勢へ捧ぐ

 

先週の口頭試問の授業で扱った内容の一つ「標識再捕獲法」について、ちょいと詳しく説明することにした。そう、記念すべき復帰一回目にネタがないのだ!

 

(復習)そもそも「標識再捕獲法」とは・・・
個体群を構成する個体数を推定する為の方法(要はたくさんあるモノを一個一個丁寧に数えなくても大体の数字を予測してくれるステッキな方法)

 

何を言ってるか分からない?そうカッカしなさんな。
まずは下の画像にネコが何匹いるか数えて頭を冷やそう、な?

 f:id:dg-daiyo:20171027221724p:plain※全部猫です

そうだね、300匹だね。数えるのに何秒かかったかな?(参考記録:運営部長12秒)
今回は猫ちゃんは止まったままだからさぞ数えやすかったことだろう。
しかし、もしこいつらが本物の猫のごとく部屋中を走り回っていたらいったい誰が数えることができようか(いや、できない。一人を除いて)

 

でな、昔の頭のいい人は僕ら凡人どものために考えてくれたんさ。一匹一匹丹精込めて数えることなく、ある程度の数を推測することはできないか。100%正確じゃあなくてもいい、それっぽい数をあ!という間に推定することはできないか、と。しかも、小学校5年生程度の脳みそでも理解できるような方法はないものか、と。

そこで考え出された方法がこれ!「標識再捕獲法」ってやつなのさ。準備授業をやりながら愕然としたね。あと20年早くこの方法を知っていれば、今頃僕は(略)
 

この方法、まっとうな義務教育を受けたはずの小学6年生であれば誰でも理解できる内容だったりする。手順は以下の通り(準備授業では口頭のみの説明だったが、頑張って絵にしてみた)

 

【問】箱の中の猫を数えよう。(猫の数はNとする。これを調べたい)

   f:id:dg-daiyo:20171027223437j:plain

 

【1】箱の中のネコを適当に何匹か捕まえて色を塗る(その数をMとする)

   f:id:dg-daiyo:20171027223528j:plain

 

【2】しばらく放置する(ネコは動き回って他のネコと混ざる)

   f:id:dg-daiyo:20171027223442j:plain

 

【3】適当に何匹か捕まえる(その数をCとする)
   その中に、色付きのネコが何匹いるか数える(その数をRとする)

   f:id:dg-daiyo:20171027223444j:plain

 

【4】予想されるネコの数(N)はN:M=C:Rで求められる

   f:id:dg-daiyo:20171027224948j:plain

 

ファー!コイツは傑作だ!!まともな学校やまっとうな塾であればとっくの昔に教えているであろう比の基本ができれば誰だって猫ちゃんの数が推定できちまうわけさ!意味が分からない?いいんだよ、でもうちの塾生だって名乗るの禁止な!分かるまで一緒に勉強しよう!

 

ほんとにこんな簡単な方法で推定できるのかしら?疑っていらっしゃるあなたのためにせっせとプログラムを作ったのでご覧にいれよう!※PCのみ利用可能です。

scratch.mit.edu

使い方

1.緑の旗マークをクリック

  f:id:dg-daiyo:20171027233533j:plain

 

2.適当な数字を入れる(色を付ける猫の数)50くらいだとうまくいくかな。

  f:id:dg-daiyo:20171027233558j:plain

 

3.放置して

  f:id:dg-daiyo:20171027233619j:plain

 

4.STOP!!

  f:id:dg-daiyo:20171027234017j:plain

 

試してみるとわかりますが、あんまりうまくいきません。Scratchの限界、数が小さい、猫の動き、分布の密度に差がでるなどいろんな要因が考えられます。(ちなみに、授業ではExcelを用いて100万件のパターンで試しましたが、5%の誤差でうまくいきました。スクラッチでは限界があります。)

 

じゃあまた来週!あでぃおす!!

※別に毎週そんなクソまじめな紹介をするつもりは毛頭ないです。今回は頑張ってしまった。