塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

賽は投げられる前に

下手の横好き

「好き」「得意」は必ずしも一致する概念ではない。

とはいえ、これらが大きく異なることは珍しく、

通常は、勝ったゲームを楽しく感じたり、好きに感じるものだ。

この辺りは、前回ブログで書いた通りであるのだが、

中には例外もある。

その例外が、このマラケシュというゲームである。

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詳細は、例によって他のブログに譲るとして。

しくらめんのゲームとげえむ:【ゲーム紹介】マラケシュ 素敵な絨毯を広げよう

Let's 授業

ということで、授業でもやってみた。

ルールブックの厚さに一瞬たじろぐが、

何のことはない。

日本語ページは1ページだけで、それ以外は世界各国の言語で書かれたページなのである。

生徒たちもかなり慣れてきたようで、説明書の読み方も随分上達してきた。

「各々」を「かくかく」と呼んだのはご愛嬌ということにしておこう。

1回目から、特段、ルールにミスなくプレイできていたので、

2回目は私が入り、プレイしてみた。

結果、初の圧勝☆

大人げないと言われようが、何と言おうが、圧勝である。

勝利の秘密

では、なぜ私は圧勝できたのか。

実は、このゲーム、ダイスに秘密がある。

ダイスの目は「1」が一つ「2」が二つ「3」が二つ「4」が一つなのである。

少し考えれば、違和感を持ちそうなのだが、生徒たちは、誰一人として、このダイスを確認しなかったのである。

そうすると、何が起こるかと言えば、

確率計算の前提を間違えているため、

当然不合理な行動が時折出てくることになる。

一方、私は、一人だけダイスに気が付いているため、

リスクを最小限に抑えて勝つことに成功した。

ここで、考えなくてはいけないことは、「前提」の正確性である。

思い込みは、時に、重大なミスを引き起こす。

それは、思考の前提となる条件に関して、事実と認識の間に齟齬が生じている場合、

そこから考えられる行動が、不合理になってしまうからだ。

今回であれば、ある方向に行けば1と4が出れば助かるが、2と3は他者に多数の鐘を支払う必要があり、他の方向に進めば、2と3ならば、最小の金を払うだけでよいという局面があった。

このとき、当然、後者を選ぶべきなのだが、ダイスの目が均等であると考えた生徒は前者を選んでしまっていたのである。

自分が当たり前と思っていることは、実は事実と異なるかもしれない。

あらゆるものを所与のものと思わずに、一見疑って考えてみることは、

いうまでもなく重要だ。

 

ポン酢は語る

行動する前に、しっかり条件を確認しよう。

だとかなり安っぽいまとめとなってしまう。

むしろ言いたいことは、「当たり前」はかなり怪しいということだ。

そして、確認すれば万全というものではない

お鍋のお供、「ポン酢」という調味料がある。

使い方は…いうまでもない。

これは、ある意味で「当たり前」だ。

しかし、私の知っている男で、(たぶん木曜日くらいにブログを書いている男なのだが)

上京して、初めてポン酢を使う際に、鍋に一びん投入し、そこに具材を入れて煮詰めた男がいる。

彼には、「ポン酢」に関する「当たり前」はシェアされていなかったのだ。

大学に入って、「大富豪」をする際、ルールのすり合わせに難儀するのもよくある話だ。

すなわち、「当たり前」は、相対的なものである可能性もあるのだ。

「当たり前」が客観的事実と符合したとしても、

それが共通認識になっていない場合

思い込みにより、前提が事実と異なる場合と同様に、

行動が不合理なものとなってしまう可能性が高い。

自分で検証、確認した「当たり前」は、他者とも検証、確認し、

共通の「当たり前」にすることが必要である。

 

DGの当たり前

弊社の当たり前と世間一般の当たり前には齟齬があることもある。

弊社では、保護者様対応は、私が行うのが「当たり前」であるが、

一般に進学塾のお客様対応が金髪に髭面であることは考えにくい。

弊社の机は、教員の手によって、黒板塗料で8色に塗られているが、

このような塾はいまだお目にかかったことがない。

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これは、シェアしなくてよい「当たり前」だ。

ただ、この「当たり前」をシェアしてくれる皆様、

いつでもお待ちしております。