「タイムレース」って何?
先日土曜日は、新五年生、新四年生、男子部の説明会だった。
人前で話すことは大好物なので(講演とか対談とか何かしら依頼などありましたらいつでもお受けします(笑))、それなりに充実した一日だったのだが、準備段階で毎年生じる問題がある。
「教材名が独特すぎてわかりづらい」
弊社はすべてをオリジナル教材で構成されているため、作成者の思いがその教材名にも込められている。
ウソです。
名前やデザインやカリキュラムを全て決めているのは私です(笑)
作成者の思いは、教材の中にふんだんに込められているものの、
きっと作成者も受講生も名前になんて興味はないだろう。
例えば、12月に毎年渡す問題集の表紙がこちら。
その名も「游於藝(げいにあそぶ)」
カッコいいでしょ? カッコいいですよね?
ところが、この教材、現在では多くの受講生が「紫のヤツ」と呼んでいる。
しかも、あろうことに時には教員まで(泣)
他にも省略されて呼ばれている教材も少なくない。
「マスぺ」とか「センリ」とか「キュウジン」とか…
そんな中で、創業当初から君臨し、全学年全科目に存在し、
だれからも省略されずに呼ばれる教材がある。
それこそが、「タイムレース」である。
「タイムレース」??「時間競争」??なんじゃそりゃ??
という感じなのだと思うが、要は小テストである(笑)
ただし、名前に偽りはなく、時間制限はかなりタイトだ。
例えば、6年算数だとこんな感じ。
(ちなみに公開していいのかというご心配をいただくことがありますが、手前どもは「教材屋」ではないので、お使いになりたい方はどうぞ。その際、ご連絡いただけますとよりうれしいですが、なしでも構いません。)
この回は「約束記号」だけれど、算数の場合、本体とは別にこうしたタイムレースを3つ、他の教科は1つずつ実施している。
算数に関しては、間違えた問題を解き直し、その途中過程を運営部長の厳正なチェックの下をかいくぐり、平日の演習を通じて処理に落とし込むというのがこの教材の趣旨。
大人でも厳しい、というか無理な時間設定なのだけれど、やはり子供は「時間を区切った」方が集中力も持続しやすいということで。
これを、計算ドリルが嫌いだった私が設計したというのだから、
いつの世も現実は複雑怪奇なものである。
やり方って何?
さて、先日、twitterでつぶやいたこの記事。
長女に「仕事してるから今は遊んでて」と伝えると、
— 末廣泰翔 (@sue_hirogari) 2018年12月3日
「ハナも仕事しとく」と言うので、
何をやってるかと思えば…
確かに私の仕事は「問題作って自分で解く」ってのが多いんだけど(笑) pic.twitter.com/lmGG0ac8cI
長女は私と違って「計算ドリル」は嫌いではない。むしろ好きなタイプだ。
それでも、あまり4歳の年少児に計算ドリルをさせるのは気が進まない。
この画像を見ると、さぞや塾講師の親が反復練習で鍛え上げたに違いないとお思いの方もいらっしゃるだろう。
そこで、4歳児に教えた方法をここに披露したい。
それは、
ひたすら数えろ!
ただそれだけである。
指でもいい。別の紙に〇を書いてもいい。
たし算だろうがひき算だろうがそんなことは関係ない。とにかく数えろ!とだけ伝えた。
巷では「さくらんぼ算」なるものも流行していると聞く。
もちろん、この「やり方」については知っているし、このやり方を否定するつもりは毛頭ない。
むしろ、使い方を誤らなければ、よくできた方法といえよう。
問題は、4歳児でこのやり方を知っている意味があるか、ということである。
断言しても良い。
ない
「やり方」は後でも教わることができる。
ただ、もしかすると「ひたすらに数える」うちに自分なりに気が付くかもしれない。
あるいは、頭の中だけでできるようになるかもしれない。
「やり方」を先に教えることは、この機会を奪ってしまう。
4歳児でたし算ができようが、かけ算ができようが、そんなアドバンテージは大した意味を持たない(と塾屋の私が言ってしまう(笑))
ただ、「ひたすらに数える」ことで、「考える体力」は養われるのではないだろうか。
私がここにいう「考える体力」とは、「集中力」+「胆力」である。
職業柄、これらについては小学校低学年までにしっかりとつけておくことが望ましいと感じている。
それは、何も英才教育を施すということではなくて、時には時間を忘れ図鑑とともに夜更かしをするでもいいし、広大な自然の中で懸命に虫を追いかけるでもいい。
「集中力をもって最後までやりきる」体験を数多くしてほしい。
そして、できる限り大人の手を借りずに。
「何をやるか」ではなくて、「どのようにやるか」こそが大切なのだ。
今回のツイートに関していえば、たし算やひき算の答えがあっているかどうかよりも、「自分から」、「問題を設定し」、それを解いたことの方が価値がある。
計算自体を早く正確にさせるのならば、市販のドリルを使った方が効果的だろうが(現に娘の作成した問題はひき算にかたよっている。)、
それは、いつか訪れる受験期にやってくれればよい。
長女の苦手なもの
そんな中で、長女が「集中力」+「胆力」を著しく発揮できない分野がある。
「食事」である。
本を読んだり、何かに取り組んでいるときはわき目も降らずやるくせに、
食事となると、テレビがついていようがついていまいが、
何かしら他のことに気がとられるらしく、…
そして小食なのである。。。
振り返れば、今でこそ大食漢に近い私も、元は小食で、
今であれば確実に教育委員会で問題視される高校野球の「食い練」によって胃袋の拡張を余儀なくされたわけで…。
こういうどうでもいいところが私に似てしまったのだろうか。
許せ、長女よ。
もう一点。
君は生まれたときから、
「残念ながらパパそっくり」と皆に言われているのだよ(笑)