塾講師、かく語りき

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合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

中学受験講師がおススメするボードゲーム(幼稚園編 part1)

ちょんと更新しようね

webアップアップ大作戦の名の下、毎週火曜日に更新するようになってから、もうすぐで一年が経過しようとしている。気が付くと、2名ほど脱落している者がいるような、いないような。

かく言う私も、更新が火曜日でないこともチラホラありながら(すみません。)、何とか一年間継続してきた。そんな中で、未だに「絶縁宣言」が注目記事の一番上にあるのか解せないでいるのだが(笑)

keio-juku-gakudo.hatenablog.jp

さて、そんな注目記事の作者が、娘とのボードゲームの様子をLINEのタイムラインに書き始めた。

「ブログも書いてくれ~」という心の叫びはさておき、それなりに反応はあったようで、職業柄、「何から始めればいいのか?」質問を多くいただいたようである。

それを受けて、不定期での連載となるが、幼稚園生におススメなボードゲームをいくつか紹介していきたい。

今回は初回ということで、個別のボードゲームについてではなく、総論的なことを書いていく。

そういえば、instagramとかfacebookとかtwitterの更新も…

現在、継続的に運用できるようにルールを自己ルールを策定中。

ルール策定とか言っている時点で、継続性が怪しいのかもしれない。

 

知<好<楽

最初に元も子もないことを言う。

勉強ができるようになるには、普通にドリルやった方が速い

足し算ができるようになるには、〇文式などで繰り返した方が定着するし、

図形ができるようになるには、小学校入試対策の問題集などをやった方が速そうである。

要するに、ボードゲームは「成績を上げる」ための最強のツールではない。

では、なぜ弊社はこれほどまでにボードゲームを推すのか。

幼稚園生と小学生で目的は異なるが、とりあえず幼稚園生について列挙すると下記のようになる。

1 楽しみが先にくることでモチベーションが上がりやすい

2 ルールや手順を守る訓練となる

3 自分で考える機会を作れる。

4 負け(失敗)から学ぶ姿勢をつける

 

過去にこんな記事も書いているので、ご興味がおありの方は、ご参照ください。

keio-juku-gakudo.hatenablog.jp

 

 やってはいけないことリスト

子どもとボードゲームをやる際の方法に関しては過去に書いたので、今回は、子どもとボードゲームをする際にやってはいけないことリストを作ってみたい。

1 いきなり難易度の高いボードゲームに手を出す

2 大人のルール確認が不十分のままプレイする

3 わざと負ける(手を抜く)

 

1 いきなり難易度の高いボードゲームに手を出す

「いきなり」という点がポイントなのだが、ボードゲームによって、集中力やら思考力やら協調性やら…様々な能力が高まっていくことに関しては、ある程度確信を持っている。

しかし、0→1にするためのツールではない。

したがって、ある程度の“仕込み”は必要である。

“ある程度”の「数の感覚」やら「暗記力」やらは、日常生活の中や各種教材などで養っておくとよりスムーズである。

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この“仕込み”により、

ゲームの楽しさが増す→学ぶことへの興味が増す→ゲームの楽しさが増す

という好循環が起きやすくなる。

要するに、ボードゲームは、好循環を起こしやすいツールと言えよう。

もう一つ。

「いきなり」には、大人への注意喚起もある。

ゲーム選びの基準の最初のスタートとして、大人が「楽しい」と感じるものを選ぶということ。

これは、弊社の社是でもあるが

 

まずは、大人が楽しむ」

 

「子どもを楽しませる」という視点も有用ではあるが、

それがスタートだとどうしても「教える」みたいな感覚になり、楽しさが半減される。

大人自身が楽しいと思うものをプレゼンする意識で取り組めば、きっと子供も楽しくなってくる。

そして、その方がプレイする機会も増える。気が進まないものをちょっとした時間にやろうとする人はいない。

 

2 大人のルール確認が不十分のままプレイする

大人同士であれば、開封からのテンションをシェアと言うことも可能だが、

集中力のない幼児の場合には、ほぼ不可能。

そこで、大人の方で、ルールを完全に把握していることが望ましい。

この段階で、ルールに多少のアレンジを加えるなどの工夫ができるとより良い。

もちろん、学年が進んでくると、子どもにインスト役を委ねたり一緒に読み進めるのも効果的。

さらに、うちでやっているのは、わざと大箱の大人用のゲームと分厚い説明書を見せること。

子どもは大きいものが好きなのでとっつくが、カタカナと漢字が多すぎてすぐにギブアップ。

ただ、「カタカナ(漢字)読めたらできるよ」などで、字を覚えることのモチベーション付けには持って来いである(我が家の年少長女は何とかカタカナもマスター!)

そして何より、ルールを読み理解し段階で、我が子とのゲームプレイを想像すべし。

実は、ゲーム選択→ルール読みというよりは、

ルール読み→ゲーム選択という手順となる。

もちろん「未だ難しい」と判断しても、いつかできる日が来るため無駄にはならないが、一般の方にはこの手順が難しいため、ボードゲームカフェや実店舗でのルールの確認をお勧めする。

(写真の背景からおススメのボードゲームカフェを聞かれることもありますが、自宅か塾です(笑))

私が心がけているのは、

「簡単すぎるものを選ばないこと」

なぜなら、私が楽しくないから(笑)

結局、子ども相手の場合には、大人主導でやることになるため、

大人が楽しくないものだと、活動する機会が少なくなってしまうのだ。

さて、とはいえ何から始めてよいかわからない方は、今後恐らく掲載される各論編をお楽しみに(笑)

 

3 わざと負ける(手を抜く)

これが一番強調したいことである!

よく聞く話として、子どもが喜ぶ顔が見たくて、手心を加えるというものがある。

若干こじらせたパターンだと、「自信」とか「自己肯定感」というパワーワードとこじつけるパターンも。

ただ、こういうパターンは例外なく、

「負けると拗ねる」

そして、これにより大人がゲームから遠ざかる。

子どもとボードゲームがしたいのならば、この負の流れは避けねばならぬ。

負け(失敗)から学ぶ姿勢は、小さいころからそうした環境を用意しておく方が良い。

良い意味で「負けることに慣れる」ことが大切だ。

大きくなってから「負けることに慣れる」と、

「どうせ、でも、だって、どっちでも」という最悪の4D(私が勝手に名付けました)が待ち構えている。

反対に、小さいころにオセロや将棋で負けた記憶が残っている人はどれくらいいるのだろうか。

以前も書いたが、手心はゲーム選びやルール説明の段階で最大限に配慮すべきことで合って、プレイ中には一切不要である。

負けて拗ねたらどうすればよいかという質問もよく受けるが、一択である。

無視する。

拗ねる→大人が構ってくれるという負の成功体験を植え付けるべきではない。

こういうことを言っていると、ゲームで負けさせて拗ねてもケアしなければ、「自分に自信が無くなる」みたいな意見が出てきそうである。

しかし、そもそも用意された「自己肯定感」など、1ミリも役に立たず、何かあればすぐに崩壊してしまう。

また、運要素の大きいゲームを選ぶなど、ゲーム選定によって結果は十分に変わりうる。

普段なかなか勝てないからこそ、勝ったときの経験が成功体験として本人の中に蓄積し、意味を持つのである。

 

DGっぽい幼児教育

ありがたいお話で、幼児教育をやってほしい旨のお話をよくいただくようになった。

小学校受験教室」みたいな感じではなく、

この時期だからこそできる「効率」とか「技術」とかそうでないものを提供できる形はないか、現在模索中( ..)φ

そもそも、「教育」とかいう言葉をあまり使いたくないなとか…。

ただ、これやろうとすると、講座のスタートアップでいつもやってしまう採算度外視路線になってしまいそうで(笑)

「ぶっ飛んだ幼児教育」…教室が阿鼻叫喚する未来しか見えない(笑)