塾講師、かく語りき

塾講師、かく語りき

合同会社ディープグラウンド(DG)が運営する、京王線千歳烏山駅にある中学受験塾、烏山進学教室。講師が語る、学問に関係あることないこと。

冬期講習と、その前にライフハック

いよいよ今年もおよそ36分の35が終わり、残すところあと11日

クリスマスを過ごし、晦日を越せば新年となります。

 

さて、そんな年末に、塾としては毎年欠かせないのが「冬期講習」

受験まで残り1カ月となるこの時期、誠に遺憾ながら冬休みにも勉強するしかありません。

 

ということで、当塾では

 23日(土)31日()(25日はお休み)

8日間が冬期講習期間となっています。

 

算数の内容は今年1年の総まとめ。

毎日1単元ずつ振り返り、一通り完璧!になったところで新年を迎えていただくことになります。

この冬期講習で受験に必要な力を確立させて、あとは1月に学力を積めるだけ積み込む予定です。

 

私ももちろん毎年教壇に立っております。

ですが、ここ数年、毎年思っていることが1つ。

 

 

日を追うごとに、日付の感覚がなくなっていきます。

 

冬期講習で扱う教材の名前付けが「冬期1日」、「冬期2日」、・・・となっているため、それに合わせて今日は1日目、明日は2日目、・・・といった感じで日付を認識することになります。

すると、日付感覚があやふやになり、「あれ、今日何日?」といった認識力の低下が起こります。

 

で、これの何が問題かというと、私事なのですが、28日にちょっとした用事があるため、この日付を忘れてはいけないのです。

もちろん冬期講習が始まる前の今であれば28日=冬期5日目ということもわかるのですが、毎日慌ただしい冬期講習が始まってしまうと、こんな単純なことをもうっかり見失ってしまう可能性があります。

それだけは避けねばならない・・・。

 

 

そんな悩みを抱える私の目にふと飛び込んできたのは、おやつのアルフォート

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これは・・・使える!

 

ということで、今年はこんなものを作ってみました。

 

 

冬期講習カレンダー!!!

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見ての通り、日付と日程をリンクさせた手作りカレンダーです!

 

貼り付けられた大量のアルフォートは、なんと季節限定の貴重な品。これを2種類、惜しみなくふんだんに使いました。

 

毎日始業前と終業後に1個ずつ食べていけば、日めくりカレンダーの要領で日付を刻むことはもちろん、それに加えてエネルギーにもなるという一石二鳥の逸品

できるカレンダーは、カレンダーの枠を超えた機能を備えているものです。

 

毎日忙しく、疲れがちな年末に、解決策を提案するカレンダーとなっております。

 

 

冬期講習23日から。

今年も最後まで気を抜かず、頑張っていきましょう!

 

「みんなが言ってるから」って悪いこと?

夏期講習が終わっておよそ2週間。ついに9月になりました。

夜のうだるような暑さが徐々に緩和され、過ごしやすい季節になってきましたね。いよいよ秋目前といったところです。

 

といえば先日、食欲の秋に関して生徒とこんなやり取りがありました。

 

「どうして秋は食欲が増すんだと思う?」と生徒にたずねてみたところ、

 

生徒①「おいしいものが多いから」

その通り、秋になると多くの農産物がを迎えます。

店頭においしそうな果物が並んでいると、つい買いたくなってしまいますね。

模範解答に近い回答と言えます。

 

生徒②「夏にあんまり食べなかったから」

これもそう。夏の暑い時期はどうしても食欲が減退してしまいます。

秋になって涼しくなると、これまでの分も取り返すかのような勢いで食べてしまいますよね。

 

そして、気になったのはこの回答。

生徒③「みんなが食欲が出てくるって言ってるから」

まわりの人に釣られて食欲が出てくる説。

他の生徒は面白がっていた回答でしたが、当人曰く「だれかがおなかすいたって言ったら、自分もすいてくるじゃん」だそうです。

 

私も最初は「試験でそんなこと答えたら点数入らないな・・・」なんてことを考えていましたが、改めて考えてみると、なるほど、一理あるような気がします。

 

 

さかのぼること約1か月

7月の終わり頃に「土用丑の日」がありました。

大量のウナギが店先に並び、蒲焼きのにおいが町中に溢れます。

近所のウナギ屋さんでは、店の外に網を並べてウナギを焼いていたり、お弁当を販売したりしていました。

 

では、どうして土用の丑の日にはウナギを食べるのでしょう。

 

調べるとすぐに出てきます。

ウナギ屋さんが土用の丑の日にはウナギを食べよう!」と言い始めたからですね。

江戸時代から始まったこの風習が、現代にも伝わっているのです。

7月に入ると、ウナギの予約が始まったり、ウナギ絶滅の話が上がってきたりしていますが、そうして少しずつ雰囲気が盛り上がり、丑の日には飛ぶようにウナギが消費されていくわけです。

こうして毎年同じ時期にみんながウナギを食べることになるわけですね。

 

 

でもそれって、本当にウナギを食べたくて食べているのでしょうか?

実は周囲の環境に作られた「食べたい」なのではないでしょうか。

 

たしかに、目の前にウナギを差し出されたら、ほとんどの人がウナギ食べたい!と思うでしょう。(私はウナギが苦手なので例外ですが。)

ですが逆に、差し出されなければ、ウナギを食べたいという思考にならないかもしれません。

もしも7月にウナギの広告を一切出さず、だれもウナギに関する話を全くしない土用の丑の日を迎えたら、ウナギを食べずに丑の日を過ごす人も多いと思います。

ウナギ以外にもおいしいものはいっぱいありますからね。

 

 

ですから、

「どうして土用丑の日にウナギを食べるの?」

という質問に対する答えが

「周囲がウナギウナギ言ってるから」

だとしても、それほどおかしくはないということになりそうです。

 

あ、決して日本の古くからの習慣を否定しているわけではありません。

多くの人がウナギ好きで、多くの人が同じ日にウナギ食べたい!と思うのは理解しています。

 

 

さて、話をに戻します。

「秋に食欲が増すのは、みんなが秋だ秋だと言っているから。」

この回答は、100点がもらえるものではありませんが、一考の価値がある回答だと私は思います。

(ウナギと違って話がややこしいのは、秋に食欲が増進するそれっぽい理由が他にもたくさんあることですね。)

特に日本人は周囲の様子をうかがって動向を決める傾向がありますから、日本人としてはむしろ正しい感性なのでしょう。

他にも恵方巻き」とか「バレンタインチョコ」も、その時期の雰囲気に合わせてみんなが食べるもののような気がしますね。

 

 

で、ここからむりやり塾の話に持っていくと、受験生が勉強をする環境は主に3つ。

「学校」「自宅」「塾」です。

このうち「学校」「自宅」は全員が持つ場所であるのに対し、「塾」利用している人としていない人がいます。お金もかかりますし、遊ぶ時間が減ってしまいますからね。

「塾で勉強する」ことの、「学校で勉強する」「自宅で勉強する」ことに対する優位点として挙げられるのは、

「周囲の同級生が全員受験生で、全員が「勉強しなきゃ」と言っている」ことではないでしょうか。

 

塾に来た生徒は勉強をします。

それを見て、

他の生徒も勉強をします。

 

生徒たちが、お互いに「勉強に向かう雰囲気」のある空間を作り出しているのです。

塾という場所に求められているのは、勉強指導以外にもこういった部分もあるでしょう。

 

 

「みんなが言ってるから」は、どちらかというと悪い方向性で使われることの多い言葉のように思います。

「みんなが言ってるから」で行動を決定した人は、自分の意思が無いと言われ、時に冷たい目線を向けられることもあります。

「みんなが言ってるから」の後に続く言葉は、明確な根拠のない情報だったり、本当は悪いことだとわかってはいるけどついやってしまうようなことだったり、あまり良いものでないことが多いですね。

 

 

ですが、「みんなが言ってるから」という接頭語には、そもそもプラスの意味もマイナスの意味もありません。後に続く言葉は良いことだって全然かまわないのです。

むしろ良い事であれば積極的に取り入れるべきです。

他人に迷惑をかけず、自分にとっても良いことなのであれば、みんなが言ってることに身を任せても悪くはないですね。

自分では見えないこと

夏期講習が始まり、5日目が終了しました。

今年の夏期講習は、1日が割と長く感じられます。

(去年は1日が過ぎるのがあっという間で、かなりバタバタしていた気が・・・)

この感じであと19日と考えると、まだまだ先は長いですね・・・。

とりあえず、実際、夏期講習が始まってからずっとのどの調子が良くないので、夜はしっかり休むことを心がけようと思います。

 

 

さて、夏期講習に入ってから5年生・6年生両方に伝えていることなのですが、夏期講習で大事なことは「自分の弱点を見つけること。」

(前回の私の記事で触れているので、そちらもぜひご覧ください。)

夏期講習は突然に - 塾講師、かく語りき

 

 

自分の弱点というのは、自分では意外と気が付きにくいものです。

特に通塾を始めて間もない段階の生徒に多く見られるのが、目の前の問題について「正解」「不正解」のみを唯一の判断材料とし、「解法」「解けなかった理由」は置いてけぼりにされているパターン。

例えば、授業の解説は何となく聞き流し、「ということで、この式を解けば答えが求められるよ」と式が提示された瞬間にその式だけを写し取り、答えを求めて満足してしまう生徒、など。

5年生のうちはある程度仕方ないのですが、6年生の夏期の時点でまだ「解けなかった理由」を意識せずに問題を解いている場合、9月以降に伸び悩む恐れがありますので、解法の大切さを何度もくり返して伝えている最中です。

 

「大事なのは答えじゃなく、解き方だ」と、既に何回言ったことか・・・(笑) 

 

 

ところで、子供たちの学習の様子を観察していると、弱点にもいろいろな種類があることに気が付きます。

 

 ・計算が遅く、不正確

 ・問題文をよく読まない

 ・公式が覚えられない

 

このあたりは算数の世界ではよくある弱点なのですが、

 

 ・集中力が持続しない

 ・解法を見ても応用ができない

 ・くり返し作業ができない

 

といったあたりは算数に限らず、様々な場面で不利益を被る可能性のある弱点となります。

おいしい料理を作れるようになるには、レシピを見ながら時間をかけて調理し、おいしいものができるまで何回も作る必要がありますよね。

 

こういった弱点を軽視せずに向き合い、1つずつ無くしていくのが「成長」であり、それは夏期講習の算数に通じる部分でもあります。

 

 

ということで、夏期講習では我々教員が眼を光らせ、大人の岡目をもって指導を行います。

本人では気が付かない弱点や、他の受験生と比較した性質も、そこそこの精度で見抜くことができます。

(私以外の教員はもっと的確に見抜きます。)

 

時には厳しいことをお伝えせねばならないこともありますが、その場合、家ではゆっくりと休息を取っていただき、翌日の授業にしっかりと参加していただければと思います。

「塾で熱して家でクールダウン」の連携が出来れば、効率の良い夏期講習を送れることでしょう。

ご協力の程、よろしくお願いいたします。

 

 

明日は6日目全体の1/4が終了ですね。

まだまだ先は長いので、無理はせず、かといって妥協もせず、頑張っていきましょう!

男たちのジレンマ

女子専門の男子部

弊社は、「女子専門」の塾である。

しかしながら、ありがたいことに、「弟もぜひ」と言ってくださる方もいて、

今年は5年生男子が3名でスタートしている。

男子は女子とは異なり、週1を基本としたスタイルは採用していない。

理由は簡単だ。

男子は勉強しない確率が高いからである。

ということで、小さな塾ではあるが、「男女別学」を採用している。

男子も女子も完全対応!!

なんと良心的な塾なのだろうか(笑)

 

ゲームに乗せるしかない!

そんなわけで男子たちであるが、女子以上に「学習習慣」をつけることは難易度が高い。

プリントの管理もままならないため、ひとつひとつやり方を徹底していく。

どこから徹底するかというと、「覚え方」みたいなところからやっていくのである。

正に、勉強のみならず、勉強のやり方を教えるのである。

それでも、覚えないときは覚えない(笑)

しかし、女子以上に競争好きでゲーム好きな嗜好性を示していることは間違いない。

そこで、私末廣は荒療治を施す。

・30分後に漢字20問、4字熟語・ことわざ20問の小テスト実施

・最下位の者以外は解散(すでに延長2時間)

・最下位の者は合格するまで&明日一日の呼称が「スーパーう〇こク〇野郎」

・一番最初に提出した者には+2点 2番目に提出した者には+1点

結果、喧騒に包まれていたはずの教室に30分の静寂が訪れる。

そして、採点。

先ほどまでの静寂はどこへ。教室内は阿鼻叫換の巷と化す。

結果、最下位の者は…泣く。

しかし、そこは薩摩隼人男が泣くとひたすら煽る

草食男子の対義語はDG男子になる日も遠くはない。

 

ジレンマって何だっけ

別日。

全く宿題をやってこなかった男子生徒2名に対して、22時に以下の問題を出題。

問題:「今週1週間頑張って、先に帰るのに値する生徒はどちらか。」

条件:1 生徒A→「B」 生徒B→「A」

    ⇒即解散

   2 生徒A→「B」 生徒B→「B」(裏切り) 

    ⇒生徒A→23時解散 生徒B→5分後解散 

   3 生徒A→「A」(裏切り) 生徒B→「A」 

    ⇒生徒A→5分後解散 生徒B→23時解散

   4 生徒A→「A」(裏切り) 生徒B→「A」(裏切り)

    ⇒24時解散

 

塾長の発案により、囚人のジレンマを実際に試してみることに。

そして、私の説明を聞き、さすがに説明しすぎだと後ろで微笑んでいる塾長。

しかし、彼はまだわかっていない。

現代っ子の読解力を。

結果

どちらも裏切り24時コースへとなりました。

塾長が「えっ!?なんで??」を連呼した姿は想像するに難くないだろう。

その後、わたしたちならこうするということで、

塾長とお互いの名前を書いて示す。

私たちが解散なので、生徒も仕方なく解散という理屈になっているかどうかわからない理屈を立てて終了。

ちなみに、生徒は、「先生たちはルールを理解していた。俺たちはルールが理解できなかった。それだけしか、差はない。俺たちもルールを理解できれば同じことができた」という謎の言い訳を残して帰宅。

読解力の闇は深い。

錆びついた日本の公教育の毒牙から、罪なき生徒を救うため、

今日もDGは戦うのである。

 

 

 

 

コロ説を賜る

ネタの宝庫

今週は珍しく(!?)ブログのネタが満載だった。

しかし、心優しい私末廣は、

水曜日のために「入学式」を、

木曜日のためにボードゲーム大会」を封印し、

いつものように、授業中で扱ったボードゲームについて書いていきたい。

 

コロレット

今週は、私がボードゲーム大会で担当したコロレットを取り扱った。

詳細は下記から。

 

www.youtube.com

 

実は、私が担当したという以上に、このゲームを採用した理由がある。

それは、説明書がわかり辛いのである。

こう書くと、説明書の表記に問題があるようにも思われるかもしれない。

しかし、そうではない。

やってみると簡単なのだが、文字にすることが難しいのである。

実際にやってみると、「なるほどな」とすぐに理解できる。

(戦略的に立ち回る子尾ができるかどうかは別である。)

写真は、生徒たちが自分たちで解釈し、進めたところである。

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下記サイトの写真と比べると、明らかに異なる。

www.tk-game-diary.net

 

理由としては、大きく三つであった。

一つ目は、定義を正確におさえられなかったこと。

二つ目は、平面的に文章をとらえてしまい、場合分けが上手くいかなかったこと。

三つ目は、客観的ではなく、先入観にとらわれて読んでしまったこと。

 

定義がすべて

初めて見るもの、聞くことは何といっても「定義」がとてつもなく大切である。

大人であれば、言うに及ばないことであるが、小学生の場合、意外と「なんとなく」ファジーにおさえたまま、先に進んでしまう。

結果、自分の手元に置いておくべき「得点チャート」と、

全体の中央に置くべき「列カード」を取り違えてしまうという、大惨事が巻き起こった

定義を取り違えるとどのようなことが起きるか、それは全く違うゲームになってしまうのである。

国語の授業中も当然のように、「本文中での単語の使われ方」を意識する指導はする。

しかし、国語の苦手な生徒にとって、というか、文章に触れる機会が圧倒的に少ない生徒にとっては、異国の言語でありがたいお説教を頂戴しているような状態となってしまうのである。

そういう意味では、今回、「ゲームとして成立しない」という現実をきちんと体験できたというのは、とても大きな意味があったように思う。

小学生の場合には、やはり経験から具体的に入っていく方が直截的でよいのだろう。

 

文章も立体的に

例えば、このゲームにおいて、手番プレイヤーは下記の二つの方法をとることができる。

A:山札からカードを引き、列に並べる。

B:任意の列をすべて引き取る。

 

そして、これらに関して詳細に説明がなされているのであるが、

表面的、平面的に字面だけを追ってしまい、Aに関する説明と、Bに関する説明混同してしまう。

その結果、山札から取ったカードを自分の前に並べるという、

「A+B」の選択肢が完成してしまうのである。

これも、「場合分け」に関する議論であるが、

いきなり、「1の位が0の場合」と「1の位が2,4,6」の場合に分けて考えると…

とやるよりも、実際に間違える経験をすることで、

「場合分け」の概念を身をもって感じることができる。

「場合分け」の応用性は、社会に出てからも重要であるため、

この感覚はいち早く身に着けてほしいものである。

 

思い込みは最大の敵

最後は、「先入観」である。

「同じカードは重ねて良い」という先入観により、何のゲームで養成された先入観かはわからないが、

写真のカードは同じものが重ねられている。

これでは、コロレットというゲームは崩壊してしまう。

問題なのは、このゲームの説明書に「重ねる」という文言が一つもないことである。

文章に書かれていないにも関わらず、行動してしまうということは、とても危うい。

説明者の予期せぬ行動をとり得るということは、不測の事態を起こしかねない。

この点は、そこまで「身をもって」とはならなかったが、やはり注意が必要なところだ。

 

説明書の説明

説明書の読み込みと確認、プレイを終えた後、

説明書を見ずに、コロレットの説明書を作製してもらった。

「説明する」という観点で、文章を作製することは、思いの外、難易度が高い。

もちろん、完全なものではないとはいえ、

その意味においては、よくできたと評価してよいのではないかと思っている。

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私も負けじと「勉強の仕方」なる説明書を……完成する日がくるのか。

 

 

春期講習

今週の月曜日から、春期講習がスタートしております。

毎年春期講習では、2・3月の授業内容をもう一度見直し、忘れていることや出来ていないことが無いかをチェックしているのですが、まぁ、完璧な状態の生徒はまずいません。それどころか、生徒によっては2か月分をものの見事に忘れちゃってますね!

※毎年そんな感じで今年が特別悪いわけではありませんので、ご安心(?)ください。

 

そこで春期講習の出番となります!

 

 

算数の観点からすると、最もメジャーなのが「公式忘れ」

これまでの2カ月で多数の公式に触れていますので、いくつか忘れちゃうのは仕方のないことと思っています。特に6年生は2・3月で受験範囲をソフトに1周しますので、あらゆる範囲のあらゆる公式を記憶しつくすのはかなり難しい。

そこで、忘れた公式を取り戻すのが春期講習ですね。

毎日いろいろな問題に取り組みますが、1問ごとに丁寧に見直して、使った公式や問題の解き方をモノにしてほしいです。

 

次に多いのが「途中式忘れ」

これに関しては途中式そのものを忘れたというより、「丁寧に書いていたころの初心」を忘れてしまったと言った方がいくらか正しい気がします。

塾に入るまでは、字が汚かったりノートの行を正しく使えていなかったりするのはよくあること。

なので、はじめの2・3週間のうちに入念にチェックして、きれいな字と式を書くように指導します。

で、1カ月くらいすると1人できれいに書けるようになりますので、こちらも安心して次の段階に進みます。

しかし人によっては、その後急速にノートが雑になり、春期講習で元のありさまになっていることも。

それを再び修正するのも春期講習のメニューの1つとなります。

 

 

方向性の違う2つの「忘れ」ですが、これらの難題をどのように解決するか。

ここで役に立つのが、当塾の秘密兵器「タイムレース」

(先週紹介していますので、あまり秘密ではないですが・・・)

 

春期講習のタイムレースは、2月と3月に1度解いたものを再び使用しています。

すると、宿題でちゃんとやってきた人はしっかり合格点を取り、逆に手を抜いていた人はまるで初回のような点数になってしまうのです。

公式や問題の解き方を忘れていたとしても、このタイムレースでしっかり取り返し、ついでに式のきれいさもチェックできるため、タイムレースこそ最後までしっかりやってほしい。

よって、春期講習とは言え、タイムレースを直し終わってからご帰宅のシステムとなっております。

 

連日朝早くからの通塾に、様々な心配もあるかと思いますが、必要なことを必要な分だけやっているということで、ご了承ください。

 

 

とりあえず今日で春期講習の前半4日が終了します。

6年生は4つの単元を苦手の残らないように復習しておきましょう。

5年生は字や式をきれいに書くこと、小数分数の計算方法を間違えないことを確認しておきましょう。

 

 

(春期)後半へ続く

(ちびまる子ちゃんのナレーション風に)

スイッチ思考

私の前回の記事の続きのお話になります。

 

※前回のあらすじ

 字がきれいになるように練習した。

 余計なことをして平凡な字に落ち着いた。

 さらに、変な癖がついてしまった。

 

精神的スイッチ

前回の最後にありました、字の書き取り練習をしたがためについてしまった

それは、「きれいに書こうと思って書いた時だけきれいに書ける」という癖です。

 

何かの署名とか、年賀状とか、そういうときにはそこそこ見た目のいい字を書くことができるのですが、普段メモ帳とかノートとかに字を書く時には以前の雑なままの字が出てきます。

言ってしまえば、「字をきれいに書くスイッチ」が自分の中に出来てしまったわけです。

スイッチが入っていればきれいに字を書こうとするものの、スイッチが入っていないと練習前のグチャっとした字を書いてしまう。

一見効率的に見えたりもするのですが、これはこれで厄介なのです。

 

この種の精神的スイッチの厄介なところは、「スイッチが入っていないときなら字が汚くてもかまわない」と自分に暗示がかかってしまうことにあります。

そもそも字がきれいと言われる人は、1年365日いつ字を書いてもきれいなのです。

本来目指すべきはここになるわけですが、一方でスイッチの暗示にかかってしまっている人は、スイッチONのときだけきれいに書こうと振る舞うので、普段字を書くこと自体が練習にならず、字がいつまでもきれいにならないのです。

おかげで私は未だに字のきれいな人間になれていません。

 

 

勉強もスイッチだとかどうとか

ここらで塾講師らしいお話をさせていただくと、勉強にスイッチ思考を持ち込むのは危険だと私は考えます。

なぜなら、勉強をする・しないを決めるのは現在の学力であって、本人の気持ちで決められることではないからです。

「夏期講習明けにスイッチが入った」とか「毎日夕方位からスイッチが入って勉強する」とかいうお話をよくお聞きするのですが、これは逆に言うと「夏期講習まではOFFだったから勉強しなかった」「まだ遊びたいからOFF」なんていう誤った判断を許してしまう材料になってしまいます。

スイッチ切り替えの権利を持っているのは結局勉強する本人ですから、甘くしようと思えばいくらでも甘くできるわけですね。

さらに親が「スイッチが入ったら始めてね」なんて言ってしまったら、「じゃあスイッチ入れないでおいてずっと休んでよう」という思考につながるケースも考えられます。

スイッチが見当たらないとか入らないというのは、勉強をしなくてもいい理由になりません。

 

 

そもそも頭の良い人は、1年365日毎日が勉強です。

ここでいう勉強とは、国算理社に限らず、自分の中に知識を蓄積する行動のことを言います。例えば身の回りの疑問点を調べるだとか、料理のレシピや機械の説明書を読むとかですね。

 

羽生永世七冠は、日常生活において常に将棋のことを考えていて、思考が止まるタイミングが無い、と聞いたことがあります。

常住坐臥、将棋。強くないはずがありません。

 

もちろん、そこまで思考し続けられるのは比類なき才能だとは思いますが、理想としては正にそういう状態ですね。

 

 

話の流れがBLACKすぎるので・・・

とは言え、(一部の才能ある人間以外は)スイッチをうまく切り替えて行動しないといつか潰れてしまいます。

運動だって適度に休憩を取らないと、過労で死んでしまいます。

常にスイッチONでいられる人間なんてそうそう居ないのです。

(もし居たらその人は天才で、世の中で大成功を収めていることでしょう。)

 

 

私のような一般人は、残念ながら常にONなんていう極端なことはできません。

勉強したい、仕事したいと思っていても、どうしても頭が動かないことがあるのです。ONがいいとわかっていても、そんなときにはOFFのタイミングが必要なのです。

 

 

ですから、方向性としては、ONの状態をできるだけ長く維持できるようにしたいものです。

・ONにすることをためらわない ← 少しでも長くONの状態に

・ONになったらその状態を維持 ← 持続力をつける

・OFFになるのは仕方ない ← 人間だもの

 

OFFは決して悪いことではありません。

ONできるのにOFFをダラダラ続けることが、成長を阻害するのです。

 

 

精神的スタミナ

テスト時間30分。

分からない問題にも時間いっぱい全力で、ONの状態で向き合う人と、わかる問題を解き終えたら残りの時間を無為に、OFFの状態で過ごす人

前者の方が最終的に上位となることは想像に難くありません。

後者には、わざとOFFにする人もいれば、ONの状態を維持できない人もいます。

 

そんな人には、精神的スタミナが足りていないのだと思います。

精神的スタミナとは、精神力を維持するのに必要な力のこと。

今回の例で言うと、30分間スイッチONの状態でいるのに必要なだけの精神的スタミナが、後者には無いのです。

 

精神的スタミナをつけるには、自分の意志でできるだけ長く、1秒でも長くONの状態を維持する練習が必要です。

練習は何でも構いません。1問でも多く問題を解くとか、1秒でも長く走るとか、1文字でもきれいな字を書くとか、1gでもいいから砂糖を我慢するとか。

そういう前向きな精神に、結果はついてくるのだと思います。

 

勉強したくないと思うときは、誰にでもあるものです。

そのOFFの状態をダラダラ続けていては、それが常態化し、自分の成長を止めてしまうことになります。

スイッチは自分の意志で切り替えることが必要です。

自分で切り替えられるように、学力とともに精神を鍛えていきましょう。

 

 

・・・でも、どうしてもONにならないときは、誰かに喝を入れてもらってもいいかもしれませんね。

 

そのようなご相談も、いつでもお待ちしております(笑)